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小ネギの発芽における温度、土壌EC及び播種前種子処理の影響


[要約]
小ネギの発芽率は高温になるほど、土壌ECが高まるほど低下し、温度35℃・土壌EC1.0dS/m以上になると発芽率は10%以下となる。種子をプライミング処理または流水浸漬処理すると発芽率は高まるが、温度35℃・土壌EC2.0dS/m条件では20%程度と低い。

[キーワード]
小ネギ、発芽、温度、土壌EC、プライミング処理、流水浸漬処理

[担当]
大分農林水産研野茶・宇佐試験地

[代表連絡先]電話0978-37-0115	
[区分]九州沖縄農業・野菜花き	
[分類]技術・参考	

[背景・ねらい]
大分県の小ネギ産地では出荷調製の効率化の観点から、収穫物の斉一性の向上が求められており、夏季高温時における発芽揃いの改善が課題となっている。
そこで、高温条件下における発芽を左右する要因のうち、種子周辺の温度及び土壌EC、播種前種子処理の有無と発芽率の関係について検討する。

[成果の内容・特徴]
  1. 25℃恒温・暗黒条件下で土壌EC0.25dS/m〜2.0dS/mの範囲では播種後6日目の発芽率はほぼ100%であるが(表1)、土壌ECが高くなるほど発芽直後の生育は不良である(図1)。

  2. 35℃恒温・暗黒条件下における播種後6日目の発芽率は土壌ECが0.25〜0.5dS/mの範囲では約50%、土壌EC1.0dS/m以上になると10%以下に低下する(表1)。

  3. 播種前の種子にプライミング処理あるいは流水浸漬処理を行うと、35℃恒温・暗黒条件下における播種後6日目の発芽率が無処理種子に比べて高く、発芽率の向上が認められる。しかし、土壌EC2.0dS/m条件下では発芽率20%程度である(図2)。

[成果の活用面・留意点]
  1. 夏期高温時の発芽揃い向上の技術資料として活用できる。

  2. 流水浸漬処理は種子を流水に18時間浸漬後、播種できる程度に風乾したものである。

[具体的データ]

表1 土壌EC、温度の組み合わせと播種後6日目の発芽率


図1 播種後6日目の発芽及び生育状況


図2 種子処理の有無、土壌EC、温度の組み合わせと播種後6日目の発芽率

[その他]
研究課題名:小ネギの出荷調製効率化のための栽培技術の確立
予算区分 :県単
研究期間 :2006年度


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