鳥獣害痕跡図鑑

被害を受けた作物から加害鳥獣を判別します

農作物等が被害にあっていても、どの鳥獣が食べたか判断するのは難しいものです。ここでは加害鳥獣が明らかなものや、推測されるもの(その根拠)などを作物別に見ることができます。

ランク ランクの説明
食べる(写真あり) その鳥獣が該当の作物を食べることを確認し、本サイトで痕跡の写真と解説を掲載している。
食べる(写真なし) その鳥獣が該当の作物を食べることについて、文献等により報告がある。本サイトでは痕跡の写真や解説は掲載していない。
食べる可能性がある その鳥獣が該当の作物を食べるという報告を現時点で把握していないが、食べる可能性は考えられる。
情報なし

作物名をクリックすると、その作物の痕跡図鑑(PDF)が見られます。
アイコンをクリックすると、その作物・鳥獣の痕跡写真と解説が表示されます。
分類 作物名 カラス類 ヒヨドリ ムクドリ スズメ カモ類 キジバト カワラヒワ キジ シカ イノシシ サル アライグマ ハクビシン タヌキ
果樹 柑橘類(温州みかん、ゆずなど)

【みかん】
加害種:ハシブトガラス
果皮についているV字型の切り裂きは太くて明瞭でありハシブトガラスと考えられる。

撮影:吉田
加害種:カラス
野外実験のために樹木に糸で結びつけたミカンを防鳥網ごしに地上へ落とし、外皮を残して中身だけをきれいに持ち去った。ヒヨドリは外皮も食べてしまうことが多い。

撮影:吉田
加害種:ハシボソガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。外皮にV字形の切り裂きがない点は獣の食害を思わせるが、くちばしを差し込んで食べた深い食痕が鳥害の特徴を示す。

撮影:佐伯
加害種:カラスまたはヒヨドリ
果皮についているV字型の切り裂きは比較的太いが、種の判定は難しく、カラスとヒヨドリの両方に食害されているかもしれない。

撮影:山口
加害種:不明
食害が進むと果皮のみが枝に残っている状態になることもある。この圃場にはカラスとヒヨドリが来ていたとのこと。またハクビシンによる食害の可能性も否定できない。

撮影:山口

【みかん】
加害種:ヒヨドリ
果皮についているV字型の切り裂きが比較的細く、カラスよりもヒヨドリのくちばしの大きさに近く見える(カラスのくちばしは長さ5-7cm、ヒヨドリは約2.5cm)。

撮影:百瀬 浩
加害種:ヒヨドリ
果皮にあけた穴から細いくちばしを差し込んで食べたことがわかる。

撮影:吉田
加害種:カラスまたはヒヨドリ
果皮についているV字型の切り裂きは比較的太いが、種の判定は難しく、カラスとヒヨドリの両方に食害されているかもしれない。

撮影:山口
加害種:不明
食害が進むと果皮のみが枝に残っている状態になることもある。この圃場にはカラスとヒヨドリが来ていたとのこと。またハクビシンによる食害の可能性も否定できない。

撮影:山口

【みかん】加害種:シカ
みかんの苗木の食害、葉や樹皮まで食べられる。実は全て食べられてしまい残らない。

撮影:上田
【ゆず】加害種:シカ
ユズの食害、葉を食べているところ。

撮影:上田

【みかん】
加害種:イノシシ(左)、ハクビシン(右)
イノシシは口内で咀嚼して皮を吐き出すことが多いが、場合によっては外皮を足で抑えて内身だけ綺麗に剥がして食べることもあり、その場合はハクビシンとの識別が難しい。

撮影:石川

【ゆず】加害種:サル
サルは手に実を持って口でむくきっかけを作り、そこからは手でむきながら食べることが多い。皮に残った食痕の一噛み部分は人よりも幅が狭く、あまりギザギザにならない。

撮影:上田
【ゆず】加害種:サル
手と口を使っている様子がわかる。

撮影:上田
【夏みかん】加害種:サル
手と口を使っている様子がわかる。

撮影:上田

【みかん】
加害種:ハクビシン
鳥のくちばしではなく、獣の口でかじったような痕が果皮に残る。また、基部が残っているのがハクビシンの特徴

撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン
ハクビシンは一度口中に入れて吐き出す食べ方も時々する。吐き出した果実に内実が残っている場合は、これを綺麗に口で摘んで引き剥がして食べるため、外皮の損傷が少なく、食痕の外皮内側への実の残りが少ない、まるで人がミカンを剥いて食べたかのような食痕になることが多い。

撮影:石川
加害種:イノシシ(左)、ハクビシン(右)
イノシシは口内で咀嚼して皮を吐き出すことが多いが、場合によっては外皮を足で抑えて内身だけ綺麗に剥がして食べることもあり、その場合はハクビシンとの識別が難しい。

撮影:石川
加害種:ハクビシン
箱ワナの餌として用いたみかんの食痕。内実を剥がして綺麗に食べるが、半身が残ることがある。

撮影:石川
加害種:ハクビシン
ハクビシンは噛みとった果皮を吐き出して散らかすことが多い。

撮影:吉田
加害種:不明
食害が進むと果皮のみが枝に残っている状態になることもある。この圃場にはカラスとヒヨドリが来ていたとのこと。またハクビシンによる食害の可能性も否定できない。

撮影:山口
りんご

【りんご】
加害種:ハシブトガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシブトガラスの大きなくちばしでついばんだ痕がわかる。一口一口が大きいことが多い。

撮影:吉田
加害種:ハシボソガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシボソガラスの細いくちばしで何度も細かくついばんだ痕がわかる。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシブトガラスでもこのようなハシボソガラスに似た食痕をつける個体がいるので、明瞭な太いV字型が見られない場合は加害鳥種の判別は難しい。

撮影:吉田
日本なし

【日本なし】
加害種:ハシブトガラス
果皮および果肉についているV字型の切り裂きが太く、ハシブトガラスの嘴の大きさである。ハシボソガラスの食痕は、これほど明瞭な太いV字型にはならない。ただしハシブトガラスでも細い食痕になることは多いので、細い場合は種の区別が困難。

撮影:百瀬 浩
加害種:ハシブトガラス
果皮についているV字型の切り裂きが太くて明瞭。鳥による食害は、枝等に止まってつつける位置が食害される点が特徴である。

撮影:百瀬 浩

【日本なし】
加害種:アライグマ
果実をかじり取った形状で、鳥によるくちばし痕とは異なる。

撮影:古谷益朗

【日本なし】
加害種:ハクビシン
ハクビシンは樹上や果実棚から頭を下にしてぶら下がり、果実の下側から食べることが多い。

撮影:古谷益朗
西洋なし

【西洋なし】
加害種:カラス
果皮についたくちばしの痕が比較的大きく、カラスの食痕と考えられる。

撮影:山口
加害種:カラス
食害された果実と一緒に、破かれた果実保護袋が多数地面に落ちていた。

撮影:山口
かき

【かき】
加害種:ハシブトガラス
果皮についているV字型の切り裂きが太く、ハシブトガラスの嘴の大きさである。なお、この写真は少し乾燥して特徴が分かりにくい。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
ハシブトガラスが群れで食べているところを確認した。果肉についた嘴の痕が太い。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
ハシブトガラスが群れで食べているところを確認した。果肉についた嘴の痕が太い。樹下に落ちて食害されていた果実。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシブトガラスの大きなくちばしでついばんだ痕がわかる。カラスは果実の皮(写真内の小片)を食べずに残すことがある。

撮影:吉田
加害種:ハシボソガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。ハシボソガラスの細いくちばしで何度も細かくついばんだ痕がわかる。ムクドリやヒヨドリの食痕と区別しにくい。

撮影:吉田

【かき】
加害種:ヒヨドリ
果皮についているV字型の切り裂きが細く、食痕も浅く、カラスとは異なる。ヒヨドリが食害していたところを観察した。

撮影:山口

【かき】
加害種:ムクドリ
ムクドリが食べているところを確認した。

撮影:吉田
加害種:ムクドリ
ムクドリが食べているところを確認した。この写真のように、果実が傷んだ部分から食害が始まることはよくみられる。

撮影:吉田
加害種:ムクドリ
ムクドリは群れで食害することが多い。

撮影:山口
おうとう
(さくらんぼ)

【おうとう(さくらんぼ)】
加害種:ヒヨドリ
ヒヨドリは実を丸飲みしてしまうので、柄だけ残っている。

撮影:山口

【おうとう(さくらんぼ)】
加害種:スズメ
柄と種だけになっていたり、実に傷がついていたりするのはスズメの食痕の特徴

撮影:竹内
加害種:スズメ
スズメは果肉をついばむので、写真のように実に傷がつくところが特徴。

撮影:山口
ぶどう

【ぶどう】
加害種:カラス
カラスは果実袋をくちばしでつまんで破くので、破き方が鋭角になることが多い。獣との識別には注意が必要。

撮影:百瀬 浩
加害種:ハシブトガラス
飼育個体での摂食実験時の写真。カラスは房から摘み取ったブドウの粒を足指でおさえ、くちばしで器用に果肉だけを食べて皮を残すことがある。残った皮は、ハクビシンが吐き出した潰れた形状とは異なり、丸い形状を保っていることが多い。

撮影:吉田

【ぶどう】
加害種:ムクドリ?
果実袋にあいた穴が小さく、カラスよりも小さいくちばしで何回も突いてあけたような形状である。ヒヨドリも嘴の大きさはほぼ同じだが、ムクドリは物をこじ開けて中の餌を食べる習性を持つためムクドリの可能性が高い。

撮影:百瀬 浩

【ぶどう】
加害種:アライグマ
アライグマは果実袋を、前肢を使って開けるため、破け方が雑になる。泥がつくことも多い。

撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ


撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ


撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ


撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ


撮影:古谷益朗

【ぶどう】
加害種:ハクビシン
ハクビシンは果実袋を口でくわえて、上から下に引き破ることが多い。その穴から顔を突っ込んで実を食べる。

撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン
ハクビシンは果実を食べながら、果肉を吸い取った形の果皮をその場で吐き出す。果実袋の中に吐き出した果皮が溜まっていることもある。

撮影:佐伯
加害種:ハクビシン


撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン


撮影:古谷益朗
イチジク

【イチジク】
加害種:ハシブトガラス
食痕が付いた果実をもぎ取って撮影した。軸に近い位置に上下のくちばしで果実を挟んだ形の傷があり、果実の先端近くには浅く削ぎ落とされた形の傷がある。

撮影:吉田
加害種:ハシブトガラス
切株の上で果実を食べているのを観察した後に撮影した。果皮は2つにちぎられており、下写真はその一方を拡大して撮影したもの。獣の食痕とまぎらわしいが、果肉にくちばしの痕があり、果皮の状態もハクビシンのように噛んでから吐き出したものとは異なる。

撮影:吉田

【イチジク】
加害種:ヒヨドリ
ヒヨドリが食害しているのを観察した後に撮影した。果皮を破って中味を食べている。

撮影:山口

【イチジク】
加害種:ハクビシン
表面にある歯形がハクビシンの頭骨標本の歯と一致した。

撮影:山口、佐伯
ビワ

【ビワ】
加害種:ハシブトガラス
カラスの場合は小型の果実はもぎ取って安全な場所へ持ち去って食べることが多く、その場合、痕跡は残らない。写真は飼育個体での摂食実験で、食べている途中で回収したもの。大きな嘴でえぐったような痕が分かる。

撮影:佐伯

【ビワ】
加害種:ヒヨドリ
食痕が付いた果実をもぎ取って撮影した。果皮に付いたV字形の痕、および果肉に付いたV字形の切り裂きの大きさから、カラスではなくヒヨドリと判断した。

撮影:吉田

【ビワ】
加害種:アライグマ
飼育しているアライグマ2個体に与えたところどちらも食べた。アライグマは前足で実を持って一部を齧り取り、何度も噛んでから皮だけ吐き出した。一度吐き出した皮も、手の届くところに落ちたものは後から拾って食べた。種も口に入れて齧ろうとするが、口からこぼれ落ちてしまった。

撮影:藤本

【ビワ】
加害種:ハクビシン
ハクビシンが噛んで吐き出した果皮。野生のビワの樹下に同様の果皮が多数散らばっていた。
ハクビシンは樹上で実を丸ごと、口の中に入れて咀嚼したのち、皮のみ吐き出すものと考えられる。

撮影:佐伯
ブルーベリー

【ブルーベリー】
加害種:ヒヨドリ
ヒヨドリはブルーベリーの花も食害する。花をちぎり取って食べるヒヨドリを現場で確認した。

撮影:吉田

【ブルーベリー】
加害種:昆虫(コガネムシ類)
ついばんだように見える食痕からスズメの食害を疑ったが、スズメではなく昆虫の食痕であることを現場で確認した。

撮影:吉田
穀類

豆類
水稲

【水稲(湛水直播)】
加害種:カルガモ
網室内でのカルガモ放飼実験時の写真。芽と根は残し、もみ部分を食べる。カラスも芽と根は残し、もみ部分を食べるので区別に注意。カラスは日中、カルガモは主に夜間に食害する。

撮影:吉田
加害種:カルガモ
柔らかい田面には水かきのある足跡が残る。

撮影:吉田

【水稲(乾田直播)】
加害種:キジバト
網室内でのキジバト放飼実験時の写真。キジバトは種もみを掘り出し、芽と根も含めて丸ごと飲み込む。生長して飲み込みにくい苗は、写真のように掘り出して放置する。写真の左右両端には未食害の苗が見える。なお、スズメの食害の場合は、むいたもみ殻が散らばる。

撮影:吉田
大麦・小麦

【大麦】加害種:スズメ
スズメが穂にとまって食害すると、茎が途中で折れることも多く、特に写真のように圃場の周縁部で顕著である。折れて地上につくと、さらにスズメに食害される。

撮影:山口
【大麦】加害種:スズメ
写真のようにスズメは一粒一粒、食害していく。食害が進むと軸だけになったり、白くなってしまったりする。

撮影:山口
【小麦】加害種:スズメ
大麦同様にスズメに食害され、茎が多数途中で折れている。

撮影:山口
【小麦】加害種:スズメ
スズメに激しく食害され、実はほとんどついていない。地面には殻がたくさん落ちている。

撮影:山口
【小麦】加害種:スズメ
スズメが食害している様子。

撮影:山口

【大麦・小麦】
加害種:キジバト
キジバトは基本的に地面から加害するが、自重で茎を折って、実を食害することもある。

撮影:山口
大豆

【大豆】
加害種:キジバト
網室内でのキジバト放飼実験時の写真。出芽した苗の子葉をちぎり取って食べる。子葉を2枚とも食べられた苗の生育は写真のように著しく遅れる。

撮影:百瀬 浩
加害種:キジバト
網室内でのキジバト放飼実験時の写真。出芽した苗の子葉をちぎり取って食べる。子葉を2枚とも食べられた苗の生育は写真のように著しく遅れる。

撮影:百瀬 浩
加害種:キジバト
網室内でのキジバト放飼実験時の写真。出芽初期の苗では引き抜かれて周囲に落ちていることがある。初生葉が展開を始める頃には被害がなくなる。

撮影:百瀬 浩
落花生

【落花生】
加害種:カラス
カラスは殻を割って中の豆を食べる。

撮影:吉田
加害種:カラス
飼育個体での摂食実験時の写真。薄皮も剥いて残すことがある。

撮影:佐伯
根菜

いも類
にんじん

【にんじん】
加害種:ハシブトガラス
ハシブトガラスが多数集まって、収穫後の放置ニンジンを食べている状況を現場で確認後に撮影した。

撮影:吉田
さつまいも

【さつまいも】
加害種:キジ
くちばしでついばんだような痕からキジと判定した。

撮影:山口
加害種:キジ
キジによる被害写真

撮影:山口
加害種:キジ
キジによる被害写真

撮影:山口

【さつまいも】
加害種:アライグマ
サツマイモの表面に爪で引っ掻いたような痕が多数残っていることからアライグマと判定した。

撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ
アライグマによる被害写真

撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ
アライグマによる被害写真

撮影:古谷益朗
分類 作物名 カラス類 ヒヨドリ ムクドリ スズメ カモ類 キジバト カワラヒワ キジ シカ イノシシ サル アライグマ ハクビシン タヌキ
葉茎菜類 はくさい

【はくさい】
加害種:ヒヨドリ
食痕がギザギザであり、昆虫による食害ではない。

撮影:吉田
こまつな

【こまつな】
加害種:ヒヨドリ
ヒヨドリのクチバシで食べたような三角の切れ込みがわかりやすい。

撮影:山口
加害種:ヒヨドリ
食痕の形からヒヨドリと考えられる。

撮影:山口
コマツナ畑で食害するヒヨドリの群れ
ヒヨドリは冬季に群れになって食害することが多い。

撮影:山口
キャベツ

【キャベツ】
加害種:ヒヨドリ
多数のヒヨドリが食害しているのを確認した。食痕だけでもヒヨドリと判別可能。外葉と結球部が食害されている。

撮影:山口
加害種:ヒヨドリ
多数のヒヨドリが食害しているのを確認した。結球部の上の緑色の塊はヒヨドリの糞。

撮影:山口
加害種:ヒヨドリ
結球をえぐるように食害された例。

撮影:吉田
加害種:ヒヨドリ


撮影:吉田
加害種:ヒヨドリ


撮影:吉田
加害種:ヒヨドリ


撮影:吉田
ちんげんさい

【ちんげんさい】
加害種:ヒヨドリ
食痕がくちばしでちぎり取ったような形状であり、昆虫による食害ではない。

撮影:吉田
ほうれんそう

【ほうれんそう】
加害種:ヒヨドリ
食痕がくちばしでちぎり取ったような形状であり、昆虫による食害ではない。

撮影:山口
加害種:ヒヨドリ
食痕がくちばしでちぎり取ったような形状であり、昆虫による食害ではない。

撮影:山口
ブロッコリー

【ブロッコリー】
加害種:ヒヨドリ
食痕がくちばしでちぎり取ったような形状であり、昆虫による食害ではない。ヒヨドリは果蕾は食べずに葉を食べることが多い。

撮影:吉田
果菜類 かぼちゃ

【かぼちゃ】
加害種:カラス
くちばしを開いて突き刺した痕(上くちばしと下くちばし)が3組みられる。

撮影:吉田
加害種:ハシブトカラス
飼育しているハシブトガラスに与えたところ、このような食痕が得られた。黄色の実部分についた嘴の痕がわかる。

撮影:山口
加害種:ハシブトガラス
柔らかいところを探しているのか何箇所もつついた痕がある(飼育ハシブトガラス)。

撮影:山口
トマト

【トマト】
加害種:ハシブトガラス
ハシブトガラスが数羽で食べている状況を現場で確認後に撮影した。

撮影:吉田
加害種:ハシブトカラス
上記と同時に撮影。未熟な実も食べられていた。

撮影:吉田
とうもろこし

【とうもろこし】
加害種:カラス
カラスはくちばしを使って、穂の先端から皮を引き裂くようにむいて、実を食べる。穂が根元で折れることはあるが茎が傾くことはほとんどない。

撮影:百瀬 浩
加害種:カラス
カラスによる実の食害。カラスの食害は圃場の周縁部に多い。

撮影:山口
加害種:カラス
とうもろこしの出芽時のカラスによる食害。苗を引き抜いて種(コーン)部分だけを食べる。

撮影:吉田
加害種:ハクビシン、タヌキ、カラス
ハクビシン、タヌキ、カラスによる複合被害と考えられる。

撮影:古谷益朗

【とうもろこし】
加害種:アライグマ
アライグマは穂を持って食べるので、全周きれいに食べ、茎が倒れることが多い。実ごと持ち去ることもある。

撮影:古谷益朗

【とうもろこし】
加害種:ハクビシン
ハクビシンの食痕では口で噛みとったような痕が残る。茎が斜めになることも多いが、倒れることは少ない。

撮影:百瀬 浩
加害種:ハクビシン
ハクビシンによる食害では茎を斜めに倒して実を食べることが多い。

撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン、タヌキ、カラス
ハクビシン、タヌキ、カラスによる複合被害と考えられる。

撮影:古谷益朗

【とうもろこし】
加害種:タヌキ
タヌキの食痕では、茎が倒され、食べ散らかしていたり、泥がついていたりすることが多い。畑では下側の土がついた部分は残すことが多い。実ごと持ち去ることもある。

撮影:古谷益朗
加害種:ハクビシン、タヌキ、カラス
ハクビシン、タヌキ、カラスによる複合被害と考えられる。

撮影:古谷益朗
果実

野菜
いちご

【いちご】
加害種:カワラヒワ
実はそのままで表面の種子のみが食べられている。カワラヒワが実の上に乗って食べているのが生産農家によって観察された。ネズミも種子のみを食べるので注意が必要。

撮影:香川県小豆農業改良普及センター提供
メロン

【メロン】
加害種:カラス
メロンの果皮は硬いため、力のあるカラスの食痕と考えられる。くちばしを突き刺して食べた形状に見え、獣類の食痕とは異なる。なお、この写真は捨てられたくずメロンの食害。

撮影:吉田
すいか

【すいか】
加害種:ハシブトガラス
果皮についているV字型の切り裂きが太くて明瞭。嘴を突き刺した痕(果皮についたU字状の線に見える部分)も見られる。

撮影:吉田

【すいか】
加害種:アライグマ
アライグマは直径5〜6cmの穴を開け、前肢を使って中身をくり抜くように食べる。

撮影:古谷益朗
加害種:アライグマ
カラスによる食痕に似る場合もあるが、よく見るとクチバシの痕跡とは異なる。爪の痕がつくことが多い。

撮影:古谷益朗

【すいか】
加害種:ハクビシン
ハクビシンは顔を突っ込んで中身を食べるため、穴が大きくなる。

撮影:古谷益朗

【すいか】
加害種:タヌキ
タヌキは主に口を使って食害する。大玉のすいかはサイズ的に噛めないかもしれない。カラスやアライグマの開けた穴から食べ進み、写真のような状態になることが多いと考えられる。

撮影:古谷益朗
その他 ひまわり

【ひまわり】
加害種:カワラヒワまたはスズメ
カワラヒワとスズメは種皮をむいて食べるため食べたところ(写真では頭花の上)や地面に種皮が散乱する。

撮影:吉田
加害種:カワラヒワ、キジバト、スズメの可能性
被害にあっているヒマワリの頭花の様子だけでは、カワラヒワ、キジバト、スズメのどの種も加害している可能性がある。

撮影:山口

【ひまわり】
加害種:キジバト
キジバトも頭花の上に乗って食べることができる。カワラヒワとの違いは種を丸呑みするため、種皮が散乱しない。

撮影:山口
加害種:カワラヒワ、キジバト、スズメの可能性
被害にあっているヒマワリの頭花の様子だけでは、カワラヒワ、キジバト、スズメのどの種も加害している可能性がある。

撮影:山口

【ひまわり】
加害種:カワラヒワ
カワラヒワが頭花の上に乗って食べているところを直接観察した。カワラヒワは種皮をむいて食べるため下に種皮が散乱する。この圃場には多くのカワラヒワが来ていた。

撮影:山口
加害種:カワラヒワ
カワラヒワが頭花の上に乗って食べているところ。

撮影:山口
加害種:カワラヒワまたはスズメ
カワラヒワとスズメは種皮をむいて食べるため食べたところ(写真では頭花の上)や地面に種皮が散乱する。

撮影:吉田
加害種:カワラヒワ、キジバト、スズメの可能性
被害にあっているヒマワリの頭花の様子だけでは、カワラヒワ、キジバト、スズメのどの種も加害している可能性がある。

撮影:山口
もみ殻袋

【もみ殻袋】
加害種:カラス
丈夫なビニール袋にこのような形状の穴をあけるのはカラスと考えられる。

撮影:吉田
飼料稲ロール

【飼料稲ロール】
加害種:スズメ
スズメが食べているところを直接観察した。スズメはもみ殻をむいて食べるので、ロールの下には殻がたくさん落ちている。

撮影:山口

informationお知らせ

2024年4月18日
ポップアップ表示を追加。シカ、イノシシ、サルを追加。カモ類、アライグマ、ハクビシンのランクを一部更新
2023年12月19日
ランクの説明を追加。カラス類、スズメ、カモ類、カワラヒワ、タヌキのランクを一部更新
2023年8月2日
みかん、ビワのファイルを更新。作物イラストを追加、レイアウトを調整
2022年10月5日
ビワ、ブルーベリーのファイルを新規に作成。イチジク、かき、ぶどう、みかん、リンゴ、落花生のファイルを更新
2021年1月28日
農研機構webサイトで公開
2021年1月26日
中央研広報戦略室にて承認
2019年11月8日
アウトライン作成

畜産研究部門
動物行動管理グループ(鳥獣害つくば)

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