結核病定期検査で摘発淘汰

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家畜
伝染病

牛、水牛、鹿、山羊

特徴

結核病結核病は、ウシ型結核菌による慢性呼吸器感染症で牛、山羊、水牛および鹿の法定伝染病だ。牛と鹿は特に感受性が高く、過去には集団発生例がたびたび報告されている。

ウシ型結核菌は、病畜との接触または汚染物を介して広い範囲の動物や人にも感染する。ヒト型結核菌とは区別され、欧米諸国では結核患者の1、2%がウシ型結核菌の感染によると報告されているが、日本では人でのウシ型菌感染例はほとんどない。

主な感染経路は菌の吸入による経気道感染。初期には肺および周辺リンパ節に限局した結核病巣がつくられる。感染が全身に広がると、肋膜(ろくまく)や胸膜に真珠様光沢を持つ結核結節が密発し、本病の特徴的病変として「真珠病」と呼ばれている。

感染動物は臨床症状に乏しいことが多いが、進行例では発咳(はつがい)、呼吸困難などの呼吸器症状を示し、全身状態が悪化して死に至る。

結核病の診断にはツベルクリン反応検査が用いられる。現在、乳牛については5年ごとの検査が法令で義務付けられ、陽性牛は患畜として処分される。国内では、感染牛の摘発淘汰(とうた)で、最近では数十万頭の検査で1頭が陽性となるレベルまで清浄化が進んでいる。


対策

有効な予防法や治療薬はない。定期検査による感染動物の摘発と淘汰が防疫対策の基本。畜舎環境の消毒など一般的な衛生対策も万一のまん延防止に役立つ。

[写真:横隔膜に見られた真珠様結節]

(動物衛生研究所 川治聡子)

参考情報

・家畜の監視伝染病 結核病


情報公開日:「家畜疾病図鑑」『日本農業新聞』 2013年11月27日、18面に掲載。

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