飼料作物病害図鑑
ライグラス うどんこ病
リスク評価スコア2.3 (2,2,3)
![]() |
![]() |
| 病徴 | 病徴(拡大) |
![]() |
![]() |
| 病原菌(分生子) | 病原菌(吸器) |
病徴:1996年に宮崎県でイタリアンライグラスに発生した病害(月星ら 1998c)。その後、新潟県でも発生が確認された(荒井ら 2000)。4月から7月にかけて、葉身および葉鞘に発生し、初め表面に白色粉状の楕円形の菌叢を形成し、後に拡大して灰白色の菌叢となる。発生後期には病斑は相互に融合して不定形となり、植物体全体にうどんこを振りかけたような状態になる。
病原菌:Blumeria graminis (de Candolle) Speer、子のう菌
病原菌はムギ類のうどんこ病菌と同種であるが、ライグラス類に特異的な病原性を示し、オーチャードグラス、チモシー、フェスクなどに病原性を示さない(月星ら 1998b)。植物細胞に侵入すると吸器と呼ばれる養分吸収器官を形成する。病斑表面に形成された多量の分生子でまん延する。
防除法:主働抵抗性遺伝子によると考えられる抵抗性が存在し、これを付与した抵抗性系統「ER3」が育成された(荒川ら 2002, 2005, 2006b, 2009a)。
総論:荒川ら(2009b)
畜産研究部門(那須研究拠点)所蔵標本 なし
(月星隆雄,畜産研究部門,畜産飼料作研究領域,2021)
本図鑑の著作権は農研機構に帰属します。