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葯培養育成、耐冷性強、良食味早生水稲新奨励品種「こころまち」
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[要約]
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「こころまち」は葯培養により育成された早生粳種で、耐冷性・耐倒伏性に強く、
品質・食味も良く、山間・西部丘陵地帯やヤマセ常襲地帯への適応性が高いことから、
宮城県において「ササミノリ」に代えて奨励品種に採用する。
宮城県農業センター・農産部・稲作科
宮城県古川農業試験場・栽培部・作物科
[連絡先] 022-383-8119
[部会名] 水稲
[専門] 育種
[対象] 稲類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
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宮城県の山間・西部丘陵地帯及びヤマセ常襲の三陸地帯では、主に早生の「ササミノリ」が
栽培されている。しかし、この地帯における「ササミノリ」は、近年の頻発する異常気象で
障害不稔や出穂遅延の被害が多く、また、多肥では倒伏しやすいことから品質の変動が
大きく、代替え品種が求められていた。奨励品種決定調査で地域適応性を検討していた
「こころまち」は、宮城県では早生で、「ササミノリ」より障害型耐冷性、耐倒伏性が強く、
品質及び食味も良く、いもち病抵抗性も「強」と強いことが明らかとなった。
したがって、「ササミノリ」に代えて奨励普及することによりこれら地帯の作柄の
安定化と品質、食味の向上を図るもの。
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[成果の内容・特徴]
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「こころまち」は宮城県古川農業試験場において、昭和57年、「ハヤユタカ」を母とし、
「中部44号」を父として交配し、F1葯培養を行い育成された品種である。
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形態的特性:稈長は「ササミノリ」よりやや短く、穂長は長い。穂数は「ササミノリ」並の
偏穂数型である。稈質は「やや剛」で、耐倒伏性は「ササミノリ」より強い。稈長が
「ササミノリ」よりやや不揃いであるが草姿は良好である。
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生態的特性:出穂期、成熟期はともに「ササミノリ」よりやや早い。障害型耐冷性は
「強」である。いもち病抵抗性は葉いもち、穂いもちともに「ササミノリ」並の
「強」である。収量性は「ササミノリ」並かやや勝る。
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品質・食味:千粒重は「ササミノリ」よりやや小さい。玄米の光沢が良く、乳白、腹白は
「ササミノリ」より少なく、外観品質は「ササミノリ」に勝る。食味は「ササミノリ」より勝る。
表1 宮城県における奨励品種決定調査成績(ササニシキとの比較)
表2 食味試験成績(宮城農セ)
表3 耐冷性試験(古川農試)
図1 普及見込み地帯
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[成果の活用面・留意点]
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普及見込み地帯は宮城県の山間高冷地帯、西部丘陵地帯の一部及び三陸沿岸地帯である。
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基本的栽培法は「ササミノリ」に準ずるが、穂肥は幼穂形成期を基本とする。生育量が
「ササミノリ」より小さいので、健苗育成に心がけ、初期生育量の確保に努める。
[その他]
研究課題名:水稲奨励品種決定調査
予算区分 :国庫
研究期間 :平成4年(昭和62年〜平成4年)
発表論文等:なし