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対抗植物マリーゴールドの播種栽培によるキタネグサレセンチュウの防除
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[要約]
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ダイコン前作としてのマリーゴールドの直播栽培は、キタネグサレセンチュウの
土壌中密度低下に有効であった。この場合の栽植距離は15×20cm以下
とする必要がある。また、雑草防除もその防除効果に影響がみられた。
青森県農業試験場 環境部
[連絡先] 0172-52-4314
[部会名] 生産環境・病害虫
[専門] 作物虫害
[対象] 根菜類
[分類] 指導
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[背景・ねらい]
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キタネグサレセンチュウの対抗植物であるマリーゴールドの利用法として、ダイコン等の
前作としての移植栽培が指導されている。しかし、栽培面積が大きい生産現場からは、
さらに効率的な対抗植物の利用法を示して欲しいとの要望が強い。1989〜`92年に
マリーゴールドの直播栽培による本線虫の防除について検討した結果、栽植密度を
高めること等により、移植栽培とほぼ同等の効果が得られることが明らかになった。
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[成果の内容・特徴]
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直播栽培によるマリーゴールド(品種名:「アフリカントール」)の栽培期間は、
50日間以下では効果が不十分となることがあり、2か月前後は必要である
(播種後約2か月で、マリーゴールドの生育段階は開花始めとなる)
(表1)。
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栽植距離は、移植栽培では40×40cmで指導しているが、直播栽培では
15×20cm以下、栽植株数は10a当たり33,000株以上とする必要がある。
これ以上の栽植密度では効果が劣る場合がある。
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ポット試験における無除草区の線虫防除効果は除草区に比べて劣る傾向であり、
マリーゴールド栽植期間中は除草につとめる
(表2)。
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[成果の活用面・留意点]
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マリーゴールドの種子は細長いため播種しづらいが、真空播種機、シードテープで
播種が可能である。しかし、散播も含めて、さらに効率的な播種法の検討が必要である。
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マリーゴールドの除草剤としては登録剤がないため、有効剤の検索、登録に向け
検討が必要である。
[その他]
研究課題名:ダイコンの難防除病害虫の防除法の確立
予算区分 :県単
研究期間 :平成4年度(平成1〜4年)
発表論文等:なし