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細胞融合による山形セイサイとハクサイの体細胞雑種「山園B1号」の育成
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[要約]
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「山園B1号」は山形セイサイとハクサイの細胞融合により
作出した体細胞雑種である。
本系統は、春まき栽培において、山形セイサイに比べ、晩抽性を示して、
多収量であり、形態は山形セイサイに近い中間型を示し、
辛味成分含量は山形セイサイの70%程度である。
山形県立園芸試験場 生物工学研究室
[連絡先] 0237-84-4125
[部会名] 生物工学
[専門] バイテク
[対象] 葉茎菜類
[分類] 普及
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[背景・ねらい]
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山形セイサイは、本県の冬の特産である
「青菜漬け」の材料となる漬物用野菜である。
近年の消費ニーズの多様化などから周年供給が要望されている。
しかし、山形セイサイは春まき栽培では早期に抽だいし、
収量が少ないため、春まき栽培が可能な新新種の開発が期待されている。
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[成果の内容・特徴]
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平成6年度に「山形青菜」と「はくさい中間母本農1号 (整理番号 00059702)」
の細胞融合により体細胞雑種を作出した。
その中から晩抽性等の有用形質を備えた「山園B1号」を選抜、育成した。
本系統は平成11年度において6世代目であり、実用的レベルで形質が固定している。
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本系統は春まき栽培において、「山形青菜」に比較し、
播種から花芽が確認されるまでの日数が約3週間遅延し、収量が約4倍となる。
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本系統の形態は「山形青菜」に近い中間型を示し、
葉形は‘倒卵’、葉色は‘淡緑’、中肋の厚さは‘厚’、
葉柄・中肋のねじれは‘僅’である
(表1、
図1)。
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本系統の染色体は両種の染色体を合わせた56本(AAAABB)の六倍体であり、
6世代にわたって安定している。
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本系統の食味は中肋が肉厚で繊維質が少ないことから食感が良好であり、
辛味成分(イソチオシアネート)含量は山形セイサイの70%程度である。
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[成果の活用面・留意点]
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実用的に支障がない程度に固定した系統である。
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山形セイサイとハクサイの形質を合わせ持つ新野菜である。
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晩抽性であるため、周年栽培ができるもとの期待される。
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辛味や青臭さが少ないことから
漬け物以外の食材としても適応性があるものと期待される。
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平成12年に品種登録の出願を予定している。
[その他]
研究課題名:細胞融合による特産作物改良技術の開発
予算区分 :県単
研究期間 :平成11年度(平成8〜14年)
発表論文等:山形青菜(B.juncea)とハクサイ中間母本農1号(B.rapa)の体細胞雑種の作出と晩抽性系統の育成、
育種学雑誌、第1巻別冊2号、1999.