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リンゴ「ふじ」わい性台木利用樹の簡便な樹相診断手法

[要約]

「ふじ」わい性台木利用樹において、簡便な樹相診断項目として頂端新梢葉数と葉 身長が利用できる。適正樹相における簡便な診断項目の基準値は、7月上旬の頂端新梢葉 数11〜14 枚、葉身長7〜8cm である。

[キーワード]

リンゴ、わい性台木利用樹、ふじ、樹相診断、頂端新梢葉数、葉身長

[担当]

岩手農研セ・技術部

[代表連絡先]

電話0197-68-4420

[区分]

東北農業・果樹

[分類]

技術・普及

[背景・ねらい]

リンゴ栽培において、良質な果実を安定して生産するための適正な樹勢を維持するためには、樹相診断を実施してリンゴ樹の状態を把握することが重要であるが、これまでの樹相診断では頂端新梢長や葉色の測定に器具を要するほか、葉色等は個人の主観も影響することから、生産者が容易に活用し難い状況にある。そこで、「ふじ」わい性台木利用樹を用いて生産者自らが容易に実施することができる簡便な樹相診断方法を検討する。

[成果の内容・特徴]

  1. 「ふじ」わい性台木利用樹において、頂端新梢葉数はこれまで指標として使用されてきた頂端新梢長と相関が高く、簡便な樹相診断指標として利用できる(図1表1)。
  2. 葉身長は葉色と相関があり、葉色に代わる指標とすることができる (図2表1)。
  3. 従来の診断項目と基準値に対応し、「ふじ」の果実品質の目標である果重330g 以上、糖度15%以上、果皮色カラーチャート5以上の生産が容易な樹相診断項目の基準値は下表のとおりである。調査時期は7月上旬とする。

[成果の活用面・留意点]

  1. 整枝せん定や着果管理、施肥などの栽培管理を適正に実施し、好適樹相を維持する。
  2. 簡便な診断の場合、頂端新梢葉数を主要な調査項目とし、葉身長は補助的な調査項目 とする。いずれも1 樹あたり頂端新梢15 本程度を測定する。
  3. 本成果では、JM1、JM7、M9 台木利用樹(樹齢8〜16 年生、植栽距離5×5m)を供 試した。

[具体的データ]

[その他]

研究課題名
りんごわい性台木樹の樹相診断技術の確立
予算区分
県単
研究期間
2007〜2009 年度
研究担当者
大野 浩、田村博明