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モモ輸出における輸送中の衝撃の発生程度と果実の荷傷み防止方法
[要約]
モモを輸出する場合、段ボール箱への衝撃は、コンテナ船を利用した輸送が飛行機を利用した輸送より少ない。段ボール箱内の緩衝資材としてフルーツキャップを用いると、輸送中の果実の荷傷み防止効果が高い。
[キーワード]
モモ、輸出、飛行機、コンテナ船、衝撃、緩衝資材、荷傷み防止
[担当]
山形農総研セ園試・果樹研究科、果樹研
[代表連絡先]
電話 0237-84-4125
[区分]
東北農業・果樹
[分類]
技術・参考
[背景・ねらい]
モモは果肉が軟らかい特性から、輸出時においては物理的障害の発生による荷傷みが問題となってくる。そのため、輸出における輸送時の荷傷みを軽減する緩衝資材や輸送方法を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 山形から香港へ輸出を行った場合、段ボール箱への衝撃の発生は飛行機を利用した輸送およびコンテナ船を利用した輸送とも積み降ろしの際に大きくみられるが、コンテナ船を利用した輸送は飛行機を利用した輸送より加速度20G以上の強い衝撃の発生頻度が少ない(図1、2)。
- フルーツキャップは、輸送中の果実の回転や乱れを防ぐ緩衝資材としてソフトパックトレーより効果が高い。特に飛行機を利用した輸送においてその防止効果が高い傾向である(図3)。
- 輸送中の押し傷発生については、緩衝資材としてフルーツキャップを用いるとソフトパックトレーより防止効果が高い(図4)。
[成果の活用面・留意点]
- 段ボール箱への衝撃および段ボール箱内の温度と相対湿度は、2009年に香港へ試験輸出した結果である。
輸送経路は、飛行機を利用した輸送が2009年9月2日に山形からトラック輸送し、9月3日に成田空港を離陸し、4日に香港空港に着陸した。コンテナ船を利用した輸送は、8月25日に山形からトラック輸送し、29日に東京港を出港、9月1日に香港港に到着した。コンテナ船を利用した輸送では20ftの冷蔵コンテナを用いた。
なお、試験輸出した果実は、飛行機を利用した輸送では9月2日に、コンテナ船を利用した輸送は8 月25日にJA さくらんぼひがしね選果場で選果された「川中島白桃」を供試した。出荷形態は、5kg段ボール箱を用い、フルーツキャップおよびソフトパックトレーとも上面と下面にトーシンネットを用いた。
- 輸送中における段ボール箱への衝撃は、人手による取扱い方によって衝撃が大きくなると考えられる。
- 5kg 普通段ボール(16 玉、トーシンネット使用)にかかる経費は、緩衝資材としてフルーツキャップを用いるとソフトパックトレーより5割程度高くなる。
- コンテナ船を利用した輸送は、冷蔵コンテナを使用し、果実の日持ち性を高めるため低温状態で管理する。
- コンテナ船を利用した輸送の場合、台風等の気象の影響を受けるため輸送日数が長くかかる場合がある。
[具体的データ]




(山形県農業総合研究センター)
[その他]
- 研究課題名
- 国産果実の輸出促進に向けた低コスト生産・流通システムの開発
- 予算区分
- 実用技術
- 研究期間
- 2007〜2009年度
- 研究担当者
- 今野勉、小野寺玲子、工藤信、橋和博、中村ゆり(果樹研)
- 発表論文等
- 今野ら(2010)東北農業研究、63:107-108
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