研究所トップ≫研究成果情報≫平成27年度
オウトウの安定生産のための人工受粉の時間帯と防風対策
[要約]
開花したオウトウの花では、柱頭への花粉の付着は早朝から日没後まで可能であり、人工受粉の効果は終日認められる。また、防風対策により風を弱めることで柱頭への花粉の付着性は向上する。
[キーワード]
オウトウ、結実、人工受粉、花粉付着量
[担当]
山形県庄内総合支庁産業経済部農業技術普及課・産地研究室
[代表連絡先]
電話0234-91-1250
[区分]
東北農業・果樹
[分類]
普及成果情報
[背景・ねらい]
山形県庄内地域でオウトウの結実不安定の要因の一つとして、開花期の風の影響が考えられる。そのため、風の影響の有無を把握するとともに、柱頭への花粉付着が効果的に行える時間帯や梵天による人工受粉の実施時間帯と結実との関係を明らかにする。
[成果の内容・特徴]
- 前日又は前々日に開花したオウトウの花では柱頭への花粉の付着は早朝から日没後まで可能であり、訪花昆虫のみの受粉と比べ終日人工受粉の効果が認められる(表1、2)。
- 風を弱めるような対策を講じることにより、柱頭への花粉の付着性は向上する(図1)。
[普及のための参考情報]
- 普及対象:山形県オウトウ生産者及び普及指導員、農協営農担当者
- 普及予定地域:山形県全域
- その他:
- 本試験は樹勢が中程度の「佐藤錦」(アオバ台)、「紅秀峰」(コルト台)を供試し、前年採取した発芽率40%程度の「紅さやか」の貯蔵花粉(葯殻付き)をほぼ倍量に希釈して用いた結果である。
- オウトウの花に朝露が付着していたり、防除直後や小雨で花がぬれていると、受粉の効率が劣るので、人工受粉は花が乾いている状態で実施する。
[具体的データ]
(石黒亮、清野仁)
[その他]
- 研究課題名
- 高品質安定生産に向けた庄内型オウトウ低樹高化推進
- 次世代型オウトウ生産のための基盤技術の開発
- 予算区分
- 県単
- 研究期間
- 2014 年(2011〜2014 年)
- 研究担当者
- 石黒亮、清野仁、近野広行、明石秀也
- 発表論文等
- 東北農業研究、68:117-118(2015 年)