開催趣旨
森林・農地から河川・海(水域)へ向かって流出する窒素・リンなどの栄養塩類は、水域の植物プランクトン等に利用されて、食物連鎖を通じて魚介類の生産に役立っている。しかし、その流出量が自然の循環容量を上回ると、河川汚濁や赤潮を引き起こす原因となる。農業環境技術研究所は、平成12年より農林水産省傘下の独立行政法人や愛知県などと連携して、農林水産業に起因する栄養塩類の負荷と自然環境の調和をめざした「森林・農地・水域を通ずる自然循環機能の高度な利用技術の開発(自然循環プロジェクト)」を実施してきた。このプロジェクトの最終年に当たり、矢作川流域に係わる研究成果を取りまとめて、地域の政策担当者、教育者、農業・漁業者、市民などへ紹介するために、成果発表会を開催する。
開催日時: 平成17年11月11日(金)11:00〜16:40
開催場所: ウィルあいち
主催:(独)農業環境技術研究所
共催予定:(独)農業・生物系特定産業技術研究機構、
後援予定: 農林水産省農林水産技術会議事務局、
プログラム(予定)
11:00-11:10 開会のあいさつ
11:10-11:50 基調講演: 森・川・海のつながりの中で魚介を育てる
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 向井 宏
11:50-13:00 (昼食)
13:00-13:40 基調講演: 矢作川流域の植生 ─ その現状と課題
豊田市矢作川研究所 洲崎燈子
13:40-13:55 「自然循環プロジェクト」の紹介
農業環境技術研究所 菅原和夫
13:55-14:20 矢作川流域における森林・農地・市街地からの窒素の流出を比べる
農業環境技術研究所 板橋 直
14:20-14:45 矢作川流域の低地に広がる水田が地下水中の窒素を浄化している
愛知県農業総合試験場 今井克彦
14:45-15:05 (休息)
15:05-15:30 矢作川から流入する栄養塩類が海の生態系に及ぼす影響
水産総合研究センター中央水産研究所 児玉真史
15:30-15:55 矢作川河口域へ流入する栄養塩類が干潟のアサリとノリを育てる
愛知県水産試験場 岡本俊治
15:55-16:20 矢作川流域の森林から河川へ流出する窒素はどこから来たか
名古屋大学大学院生命農学研究科 竹中千里
16:20-16:40 市民との対話: 矢作川流域に自然の循環機能を探る
参加申し込み・問い合わせ先:
(独)農業環境技術研究所
305-8604 茨城県つくば市観音台3−1−3
電話・FAX 029-838-8322
E-mail sugahara@niaes.affrc.go.jp