国内外において、食品の安全性に対する意識・関心が高まっています。カドミウムなどの重金属については、コーデックスで国際的な安全基準の強化が論議され、コメをはじめとして農作物の安全性確保のための取り組みが進められているところです。一方、環境残留性の高い化学物質の汚染から人の健康および環境を保護することを目的とした「残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約」(POPs条約)が発効し、残留性の高い有機汚染物質の動態を十分に把握することが国際的に求められています。これらのことから、農耕地土壌中に長期間残留し、農作物に吸収されて食の安全性をそこなう恐れのある有害化学物質については、それらのリスク管理対策を急ぐ必要があります。
そこで本研究会では、重金属やドリンなどの有害化学物質について、(1) 行政的な対応、(2) 農作物による吸収に関する実態の把握、さらには、(3) 汚染土壌のファイトレメディエーション(植物を用いた土壌修復技術)や化学的洗浄法など新しい手法を応用したリスク管理技術について、最新の情報や研究成果を報告して討論を行います。
参加は自由、参加費は無料です。
開催日時: 平成18年2月22日(水)
会場: つくば農林ホール
(茨城県つくば市観音台3−1−1)
主催: 独立行政法人 農業環境技術研究所
プログラム
理事長あいさつ
10:15−10:25
講演
1)農作物の有害化学物質のリスク管理をめぐる最近の状況について
瀬川雅裕(農林水産省 消費・安全局) 10:25−11:05
2)土壌中に残存するドリン類吸収の作物間差異
大谷 卓・清家伸康(農業環境技術研究所) 11:05−11:45
−昼食−
3)土壌のヒ素汚染と作物による吸収
荒尾知人(農業環境技術研究所) 13:00−13:40
4)ホウレンソウのカドミウム濃度に関する品種間差異
杉沼千恵子(埼玉県農林総合研究センター) 13:40−14:20
−休憩−
5)カドミウム汚染土壌のファイトレメディエーションをめぐる最近の研究
村上政治(農業環境技術研究所) 14:40−15:20
6)カドミウム汚染土壌の化学的洗浄技術と現場適応性
高野博幸(太平洋セメント株式会社) 15:20−16:00
総合討論
16:00−16:30