農地における過剰の施肥や家畜排せつ物の投棄によって、地下水が汚染され河川水が汚濁するという実態が、明らかにされつつあります。このような問題の解決が難しい理由は、汚染源が広く薄く広がっているために、その全体像を正確に描きにくいことです。このような非特定汚染源(面源)からの栄養塩類の流出を定量的に評価するためには、河川・地下水の水質モニタリングとともに、モデルによる解析が欠かせません。
農業環境技術研究所と韓国農業科学技術院が共催する本国際ワークショップでは、河川・湖沼の水質を改善するためのシナリオ作りの一環として、農業生態系における窒素負荷と河川・地下水への流出の問題を取り上げます。とくに、モニタリングとモデルによる解析に焦点を絞って、欧米および東アジアにおける研究成果の発表と討議を行います。
開催日時: 平成18年3月15日(水)
開催場所: つくば国際会議場(EPOCHAL TSUKUBA) 2階 中ホール
プログラム(予定)
09:30 - 09:40 開会あいさつ
09:40 - 10:20 基調講演:アメリカ中西部の農業流域における窒素の生物地球化学
University of Illinois, USA M. B. David
10:20 - 11:00 基調講演:農業における窒素負荷とその流出が環境に及ぼす影響 −東アジアにおける問題点
北海道大学北方生物圏フィールド科学センター 波多野 隆介
11:00 - 11:30 中国における畑地と水田の窒素流出量の比較
中国科学院南京土壌研究所 Zucong Cai
11:30 - 12:00 韓国における水田からの窒素流出量の評価
韓国農業科学技術院 Kee-An Roh
12:00 - 13:00 昼食
13:00 - 13:30 LEACHM: 不飽和土壌中の化学物質の移動・形態変化・植物吸収モデル
Flinders University of South Australia J. L. Hutson
13:30 - 14:00 農地下の不飽和帯及び浅層地下水帯を通じた水移動と硝酸塩の輸送
農業環境技術研究所 江口 定夫
14:00 - 14:30 流域規模の水・窒素循環機構の解明−鹿児島県肝属川流域を事例として−
農業工学研究所 久保田 富次郎
14:30 - 15:30 ポスターセッション & コーヒーブレイク
15:30 - 16:00 面源負荷モデルを用いた農村小流域における汚染物流出量の推定
韓国農業科学技術院 Jin-Ho Kim
16:00 - 16:30 圃場・集水域スケールの窒素流出を評価するための数理モデルの開発
ADAS Research, UK P. S. Davison
16:30 - 17:00 総合討議
主催: 農業環境技術研究所(NIAES)、韓国農業科学技術院(NIAST)
後援(予定): 農林水産技術会議事務局、
公用語: 英語
参加申し込み・問い合わせ先:
(独)農業環境技術研究所 栄養塩類研究グループ長 菅原和夫
305-8604 茨城県つくば市観音台3-1-3
電話・Fax: 029-838-8322、