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情報:農業と環境 No.79 (2006.11)
独立行政法人農業環境技術研究所

「多様な生物を育む農林水産業へ向けて」 −自然共生プロジェクト生態系チーム シンポジウム− が開催された

開催日時: 平成18年10月4日(水) 13:00 − 17:00

開催場所: 農業環境技術研究所 大会議室

主催: (独)農業環境技術研究所

共催: 農林水産省農林水産技術会議事務局
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 農村工学研究所
(独)森林総合研究所
(独)水産総合研究センター

参加者: 行政機関、都道府県、研究法人、大学、市民など、60名

おもなプログラム

基調講演

「流域圏における生物多様性と人」

大澤雅彦 (東京大学大学院 教授) 

研究成果報告

(1) 恋瀬川流域の森林に生息する鳥類多様性におよぼすランドスケープ構造の影響

尾崎研一 (森林総合研究所) 

(2) 森林施業は、森林の生物多様性をどのように変化させるか

田中浩 ほか (森林総合研究所) 

(3) 魚類からみた農業水路の生息場ポテンシャル

小出水規行 (農村工学研究所) 

(4) 沿岸海域における有機物の由来と食物網について

木暮陽一 (水産総合研究センター日本海区水産研究所) 

(5) 調査・情報システムを用いた生物生息ポテンシャル評価

楠本良延 ほか (農業環境技術研究所) 

(6) 伐採後再植林放棄地における森林植生回復過程の空間モデリング

酒井敦  (国際農林水産業研究センター) 

(7) 溜め池周辺の土地利用変化とトンボ生息条件の変動

D.スプレイグ ・ 田中幸一 (農業環境技術研究所) 

総合討論

討論の概要

農林水産省委託プロジェクト研究 「流域圏における水循環・農林水産生態系の自然共生型管理技術の開発」 (平成14−18年度) の中の生態系チームは、農林水産生態系の自然共生管理技術の開発に向けて、環境情報データベースの構築、農業・農村調査・情報システムを用いた生物生息ポテンシャルの評価、農業・農村生態系の変動機構の解明とモデル化などの研究を進めてきました。今回のシンポジウムでは、5年間に得られた研究成果を報告して、「魚類、鳥類、昆虫類など多様な生物類を育む農林水産業へ向けて」 のアイデアを提言し、論議しました。

各発表と総合討論で、研究・技術上の意見交換が活発に行われました。研究プロジェクトの方向について、「生態系チームは農耕地の周辺環境と生物の多様性を研究の対象としているが、農地内の管理と多様性についても重視すべきではないか」 との提起がありました。

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