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情報:農業と環境 No.84 (2007.4)
独立行政法人農業環境技術研究所

農業環境技術研究所と農林水産省消費・安全局農産安全管理課との連絡会が開催された

農業環境技術研究所は、研究に対する行政ニーズを把握すると同時に研究サイドの情報を行政に提供することによって、今後の研究方針の検討や研究成果の社会への発信に役立てることを目的として、行政部局との意見交換会、連絡会を毎年開催しています。

農林水産省消費・安全局農産安全管理課との意見交換会が、平成18年12月に、農林水産省で行なわれました。この意見交換会には農産安全管理課と農業環境技術研究所の幹部職員が出席し、土壌汚染、農薬、肥料に関して、行政側から情勢の報告、研究所側から対応する研究を紹介し、相互に情報や意見を交換しました。

農産安全管理課からは、作物がカドミウムや農薬を吸収するリスクを低減する技術や、リスク管理を実施する際の根拠となる基礎データの収集などに関して、連携協力が要請されました。

農林水産省消費・安全局農産安全管理課と農業環境技術研究所との意見交換会 (第1回)

日時: 平成18年12月20日 (水曜日) 15:00〜18:00

場所: 農林水産省 飯野ビル第1会議室(飯野ビル8階)

出席者:

消費・安全局 農産安全管理課

課長:嘉多山 茂、農薬対策室長:横田 敏恭、調査官:新本 英二、総括補佐:岡田 正孝、[企画班] 課長補佐:安達 佳弘、安全企画係長:上久保 房夫、[土壌汚染防止班] 課長補佐:瀬川 雅裕、生産安全専門官:浜谷 直史、[肥料検査指導班] 課長補佐:坂本 雅司、検査係長:加島 信一、[組換え体企画班] 課長補佐:藤河 正英、[組換え体管理指導班] 課長補佐:佐藤 尚志、[農薬企画班] 課長補佐:井上 知郁、[農薬指導班] 課長補佐:舟木 康郎、[農薬検査班] 課長補佐:小畠 恒夫

農林水産技術会議事務局

研究開発企画官:小泉 健、研究調査官:白戸 康人

農業環境技術研究所

理事:上路 雅子、研究統括主幹:宮下 清貴、企画戦略室長:藤井 毅、連携推進室長:井上 恒久、研究コーディネータ:塩見 敏樹、研究コーディネータ:遠藤 正造、研究コーディネータ:齋藤 雅典、研究コーディネータ:今川 俊明、物質循環研究領域長:菅原 和夫、土壌環境研究領域長:小野 信一、有機化学物質研究領域長:與語 靖洋、生物多様性研究領域長:平井 一男、農業環境インベトリーセンター長:谷山 一郎、[企画戦略室] 齋藤 貴之

議事:

(1) 農産安全管理課からの情報提供

1) 土壌汚染関係(カドミウム対策について): 瀬川 雅裕

2) 農薬関係(ポジティブリスト、ヘプタクロル等について): 井上 知郁、舟木 康郎

3) 肥料関係(肥料取締法について): 坂本 雅司

(2) 農業環境技術研究所からの情報提供

1) 野菜のカドミウム吸収低減対策: 小野 信一

2) ドリン及び大気中農薬に関連した研究成果と今後の課題: 與語 靖洋

3) 有機性廃棄物のリサイクルと肥料取締法の課題: 菅原 和夫

注: 実際の議事は、トピックスごとに (1) 1) → (2) 1) → (1) 2) → (2) 2) → (1) 3) → (2) 3) の順で進められた。

(3)意見交換

−安全な農産物の生産供給に向けた研究開発について−

(4)その他

上記の意見交換会の席上、今度は若手を中心としたメンバーでの会合をつくばで持ちたいとの要望がありました。これを受けて、19年3月に、農業環境技術研究所において第2回の意見交換会を開催しました。

第2回の意見交換会には、農産安全管理課の若手など8名に来所いただき、農業環境技術研究所からは、実際に研究に携わっている研究者が出席しました。農薬や環境汚染物質の話題で、農業環境技術研究所からは研究成果の紹介、農産安全管理課からは情勢の報告という形で、話題提供と意見交換を行ないました。

農林水産省消費・安全局農産安全管理課と農業環境技術研究所との意見交換会 (第2回)

日時: 平成19年3月9日 (金曜日) 13:30〜17:30

場所: 農業環境技術研究所 中会議室

出席者:

消費・安全局 農産安全管理課

[生産安全班] 課長補佐:佐藤 京子、[肥料検査指導班] 企画調査係長:井上 達也、[土壌汚染防止班] 課長補佐:瀬川 雅裕、生産安全専門官:浜谷 直史、汚染防止係長:中島 基貴、<農薬対策室>[農薬企画班] 取締係:栗山 泰、[農薬指導班] 課長補佐:舟木 康郎、[農薬検査班] 生産安全専門官:渡辺 高志

農業環境技術研究所

企画戦略室長:藤井 毅、有機化学物質研究領域長:與語 靖洋、リサーチプロジェクトリーダー:大谷 卓、リサーチプロジェクトリーダー:荒尾 知人、[企画戦略室] 齋藤 貴之、[連携推進室] 木村 龍介、[物質循環研究領域] 江口 定夫、鈴木 克拓、板橋 直、[土壌環境研究領域] 川崎 晃、牧野 知之、山口 紀子、[有機化学物質研究領域] 堀尾 剛、岩船 敬、横山 淳史、小原 裕三、上垣 隆一、清家 伸康、石坂 眞澄、馬場 浩司、渡邊 栄喜、[生物多様性研究領域] 白井 洋一

議事:

(1) 農環研からの話題提供 (農薬)

1) 残留農薬の簡易・迅速検出法: 渡邊 栄喜

2) 農薬の大気中への拡散: 小原 裕三

3) POPsの土壌残留と作物吸収: 清家 伸康

4) 農業資材由来抗菌剤の動態: 上垣 隆一

(2) 農産安全管理課からの話題提供

1) 農薬を巡る最近の話題:渡辺 高志

(3) 農環研からの話題提供 (環境汚染物質)

1) 硝酸態窒素の地下水中の動態: 江口 定夫

2) 汚泥肥料等の有機質資材施用に伴う重金属負荷: 川崎 晃

3) 土壌洗浄法によるカドミウム汚染水田の浄化: 牧野 知之

4) 土壌、作物体中のヒ素の形態別の分析法: 馬場 浩司

5) 土壌、作物中の放射能モニタリング: 山口 紀子

(4) 農産安全管理課からの話題提供

1) 環境汚染物質関係について:浜谷 直史

2) 安全な農産物の安定供給の推進:佐藤 京子

農業環境技術研究所は、農薬や環境汚染物質、組換え体作物などの問題で、農林水産省 消費・安全局 農産安全管理課との密接なつながりがあります。これまでも下記の技術マニュアルや計画指針を作成するなど、研究所の研究成果と行政施策を深く連携させています。安全な農産物を安定して供給するための施策を展開していくためには、研究サイドと行政サイドの連携や情報の共有がきわめて重要であり、これがあって初めて、的確な技術を現場に普及していくことが可能になります。このような交流の機会を定常的に持つことが今後も重要であるという認識を互いに確認しました。

○ 技術マニュアル・計画指針

平成17年3月: 水稲のカドミウム吸収抑制のための対策技術マニュアル

平成17年3月: ダイズのカドミウム吸収抑制のための技術確立マニュアル

平成18年4月: 植物による土壌のカドミウム浄化技術 (ファイトレメディエーション) 確立実証調査計画指針 (一次案)

平成18年4月: 土壌の理化学データに基づく農作物カドミウム汚染リスク予測技術確立実証調査計画指針 (一次案)

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