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情報:農業と環境 No.97 (2008年5月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

歴史的農業環境閲覧システムの公開

農業環境技術研究所は、明治時代初期に作成された地図 (迅速測図) をインターネットで閲覧、利用できる 「歴史的農業環境閲覧システム」 を構築し、4月18日と19日に行われた農林研究団地の一般公開で来場者に利用していただきました。4月21日からはインターネットで公開しています。

「歴史的農業環境閲覧システム」トップページより

図 「歴史的農業環境閲覧システム」 トップページの一部
(地図はこのシステムで閲覧可能な範囲を示しています)

「迅速測図」 は、明治初期に導入された西洋式の測量法によって作成された地図で、関東地方のものは当時の土地利用 (地目) によって彩色されています。農業環境技術研究所では関東地方の迅速測図 (約900枚) を1枚の画像に統合し、地理情報システム (GIS) で現在のさまざまなデータと統一して扱えるようにしました。

迅速測図の画像は、各種のWebブラウザや Google Earth というソフトウェアで閲覧できるほか、GISを用いた土地利用変化の分析に利用できます。明治初期の土地利用は、農業活動によって維持されていた里地里山の原景観の一つであるといえ、管理の方法に対応する多様な生物が生息していたと考えられます。過去と現在の土地利用を比較することで、生物多様性の変化や生息適地の変動に関する研究の基礎資料として活用できます。さらに、NPOやNGOによる身近な里地里山の管理や農業環境の保全・管理の指針となる、あるいは自宅の周辺の120年前の環境がわかるなど、専門家から一般の方まで、さまざまな利用が可能です。

詳細については、4月16日の プレス・リリース 「農環研が明治初期の関東地方の土地利用を閲覧できるシステムを公開 −現在と120年前の土地利用状況を容易に比較−」 をご覧ください。

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