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情報:農業と環境 No.109 (2009年5月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

モデル結合型作物気象データベース(MeteoCrop DB) が公開された

地球温暖化の進行や異常気象で、イネの生産にどのような影響があるかが心配されています。そこで、最近の気候変動がイネの生育に及ぼしている影響や要因を把握するため、イネの収量や品質に大きな影響のある水田の水温やイネの穂の温度など、一般の気象観測で得られない水田の微気象要素を推定し、データを供給するシステム、「モデル結合型作物気象データベース」(「MeteoCrop DB」)を作成しました。

このデータベースでは、インターネットを通じて、1980年以降のアメダス約850地点における気象データや水田水温の推定値が簡単に入手できます。また、データベースに組み込まれたイネ生育モデルと水田物理環境モデルによって、主要品種 (コシヒカリ)の生育ステージや出穂・開花期における穂温が推定できます。既存の作物データベースや栽培試験データと組み合わせることにより、近年の温暖化傾向がイネ生育に及ぼしている影響を容易に調べることが可能です。このデータベースが農業関係者や試験研究ならびに行政機関などで使われることで、イネ収量の将来予測や品質低下のリスク評価、温暖化に備えた適応技術の開発などへの貢献が期待されます。

データベース MeteoCrop DB は、3月31日から 専用ウェブサイト (http://MeteoCrop.dc.affrc.go.jp) で公開されています。

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