土壌DNAを用いた革新的な土壌診断技術の利用に関する説明会が、農業環境技術研究所の主催で、2月8日に農林水産省本省講堂で開催されました。
この説明会は、平成18年度より5年間、農林水産省が進めてきたプロジェクト 「土壌微生物相の解明による土壌生物性の解析技術の開発」( eDNA プロジェクトとも呼ばれる) の最終年にあたり、開発された技術の普及を目的として広く都道府県などの技術者に利用してもらうために開催されました。
160名の参加があり、発表者・参加者の間で、土壌診断技術に関する多くの情報交換が行なわれました。
開催日時: 2011年2月8日(火曜日) 13時30分〜17時15分
開催場所: 農林水産省本省講堂(本館7階)
東京都千代田区霞が関1−2−1
主催: 独立行政法人 農業環境技術研究所
参加者: 160名
(都道府県52名、民間企業・団体50名、大学24名、独立行政法人24名、農林水産省10名)
プログラム
総合司会 農業環境技術研究所 田中宥司
開会
農業環境技術研究所理事長 佐藤洋平
第1部(研究成果の概要、活用事例)
土壌DNAの解析技術の特徴
農業環境技術研究所 對馬誠也
解析手法(利用マニュアル)
東北農業研究センター 森本 晶
黒ボク土の野菜産地での活用
近中四農業研究センター 村上弘治
台地土の野菜産地での活用
沖縄県農業研究センター 宮丸直子
低地土等の野菜産地での活用
長野県野菜花き試験場 藤永真史
第2部(総合討論)
診断技術確立のためのデータ蓄積について
(司会・説明) 農業環境技術研究所 對馬誠也
第3部 ポスターセッション
ポスターセッション等では、本説明会で紹介した PCR-DGGE 法を現場の土壌診断に活用したいという希望が複数出されました。詳細な解析方法を記載したマニュアル(標準 eDNA 解析マニュアル)が、研究所のウェブサイトで公開されています
参加者からいただいたアンケートを集計した結果、土壌微生物相の診断を企業と連携してサービス化するような考えはあるか?(企業2社)、受託解析してくれる機関はないか、PCR-DGGE 講習会は次年度も行うか? あれば受講したい(複数県研究機関)など、土壌診断技術についての要望が多いことがわかりました。
写真1 説明会会場のようす
160名の方に参加いただきました
写真2 ポスターセッションのようす