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農業と環境 No.144 (2012年4月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

刊行物の紹介: 農業環境技術研究所報告 第30号

農業環境技術研究所は、2012年3月に農業環境技術研究所報告 第30号 を刊行しました。

農業環境技術研究所公開ウェブサイト内の 農業環境技術研究所報告のページ (http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/publish/bulletin.html) から、掲載報文のPDFファイルをダウンロードできます。

ここでは、この号に掲載された2つの報文について、表題、摘要、おもな目次などを紹介します。

害虫抵抗性遺伝子組換え作物による環境・生態系への影響: 2010年までの研究事例 (研究資料)

白井洋一

摘要

1996年に北米で、土壌細菌の一種である Bacillus thuringiensis(Bt)由来の殺虫性タンパク質を導入した害虫抵抗性遺伝子組換えトウモロコシの商業栽培が開始された。その後、南米、インド、オーストラリア、中国、南アフリカ、スペインなどで、Bt トウモロコシと Bt ワタが広く栽培されている。1998年と1999年に Bt 作物による生態系、特に非標的生物への影響を懸念する論文が相次いで発表された。主な懸念は、トウモロコシ花粉飛散による蝶類への影響、食物連鎖を介した天敵生物への影響、難分解性 Bt タンパク質による土壌生態系への影響である。多くの追跡研究が行われ、2010年までに420本の論文が発表された。指摘された3つの懸念は、室内の特殊条件下では生じるが、野外ではほとんど起こり得ないことを多くの研究が証明した。すでに商業栽培が認可されている Bt 作物が、野外で有意な悪影響を与えるおそれはないだろう。しかし、導入遺伝子の形質が異なる新たな組換え作物については、商業栽培前に室内および野外で安全性評価が必要である。害虫抵抗性組換え作物のメリットを長期間維持するためには、管理された対策が必要である。抵抗性発達を抑制するため、緩衝区の設置や殺虫タンパク質を高濃度に発現する品種の採用が求められる。特に途上国では、発現濃度の劣る不良種子を排除する対策が必要である。

目次

I  はじめに

II 環境・生態系への影響評価

III 栽培国での実際問題

引用文献

農業環境技術研究所に寄贈された堀川正美氏収集のカミキリムシ類(昆虫綱:コウチュウ目)コレクション目録 (研究資料)

栗原 隆・吉武 啓・吉松慎一・中谷至伸

摘要

2009年11月に堀川正美氏によりカミキリムシ標本が寄贈された。本コレクションは280種 3,302 点( 3,610 個体)から成り、1種2個体を除いた全てが日本産である。本目録ではそれらの全標本情報を掲載した上で、特筆すべき種として15種を挙げ、それぞれについてコメントと標本写真を付した。

目次

I  はじめに

II 標本目録

III 特筆すべき種

IV 引用文献

V  図

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