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農業と環境 No.159 (2013年7月1日)
独立行政法人農業環境技術研究所

刊行物の紹介: 農業環境技術研究所報告 第32号

農業環境技術研究所は、2013年6月に農業環境技術研究所報告 第32号 を刊行しました。

農業環境技術研究所公開ウェブサイト内の 農業環境技術研究所報告のページ (http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/sinfo/publish/bulletin.html) から、掲載された報文のPDFファイルをダウンロードできます。

ここでは、この号に掲載された2つの報文について、表題、摘要、目次を紹介します。

農業環境技術研究所所蔵の日本産ミツギリゾウムシ科(昆虫綱:コウチュウ目)標本目録 (研究資料)

吉武 啓・中谷至伸・吉松慎一・田中絵里

「はじめに」より抜粋

ミツギリゾウムシ科はコウチュウ目ゾウムシ上科の1群であり、世界で約 1,700 種が知られている (Sforzi & Bartolozzi, 2004)。本科に属する大部分の種は食材性であるが、ミツギリゾウムシ亜科オニミツギリゾウムシ族の構成種は好蟻性である他、同亜科ホソミツギリゾウムシ族には材穿孔性甲虫の坑道内に寄生する種が含まれる。また、アリモドキゾウムシ亜科には、サツマイモ類の重要害虫が含まれる。日本からは、これまでに2亜科6族17属31種のミツギリゾウムシ類が知られている (Morimoto, 2008, 2009)。

農業環境技術研究所(以下、農環研)には、24種342点の日本に分布するミツギリゾウムシ類の標本が保管されている。その中には、日本のミツギリゾウムシ相を解明する上で欠くことのできない貴重な標本が含まれている。本コレクションに関する概要についてはすでに Yoshitake et al.(2011) により報告されている他、画像を含む全標本情報を農環研の昆虫データベース統合インベントリーシステム ( http://insect.niaes.affrc.go.jp/ ) 上で公開しているが、より幅広いユーザ層による標本やその情報の利活用を促進するためには紙媒体による情報発信が必要であることから、今回、本コレクションの目録を作成し、公表することにした。

目次

I  はじめに (Introduction)

II  標本目録 (List of Specimens)

III  特筆すべき種(Remarkable species with their information)

IV  引用文献 (References)

V  図 (Figures)

農業環境技術研究所所蔵のサシガメ科(昆虫綱:カメムシ目)標本目録 (研究資料)

中谷至伸・吉武 啓・吉松慎一・石川 忠

「はじめに」より抜粋

カメムシ亜目は不完全変態を行う昆虫の中では最大のグループで、全世界で 38,000 種以上が知られている (Schuh and Slater, 1995)。そのうち、サシガメ科: Reduviidae は、カメムシ亜目の中では、カスミカメムシ科に次いで種数が多いグループで、日本からは約90種以上、全世界で約 6,800 種が知られている (石川・宮本2012)。ほぼすべての種が肉食性であるが、形態的、生態的に多様であり、さまざまな環境中に見いだされる。農業生態系においても、農業害虫の天敵として重要な役割を果たすと考えられている。

農業環境技術研究所が所蔵するカメムシ亜目の標本は、かつて当研究所に在籍していた故長谷川仁氏を中心に収集されたもので、70,000 余点に達する。このうちサシガメ科については日本を含むアジア産の標本を中心に約 2,000 点あり、本目録には同定済の 130 種 1,643 点についての標本情報を収録した。

目次

I  はじめに (Introduction)

II  標本目録 (List of Specimens)

III  特筆すべき種(Brief notes on remarkable species)

IV  引用文献 (References)

V  図 (Figures)

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