農業環境技術研究所は、8月7日(金曜日)、「サイエンスキャスティング2015」の協力機関として6名の参加者を受け入れ、プログラム「匂いを利用した植物や昆虫のコミュニケーション」を実施しました。
サイエンスキャスティングは、つくば国際会議場などがつくば市内の研究機関の協力を得て開催する、中学生・高校生のための科学体験イベントです。参加者は、ふだんは公開されていない研究室を訪問して、そこで行われている研究について見たり、聞いたり、体験したりして調査し、翌日にその内容を国際会議場でプレゼンテーションします。
農業環境技術研究所は、昨年より協力機関として参加しています。
今年のプログラム「匂いを利用した植物や昆虫のコミュニケーション」(担当研究者:生物多様性研究領域 田端 純 主任研究員)のようすをお知らせします。
私たち人間は、おもに言葉によりコミュニケーションをとりますが、言葉を持たない植物や昆虫のコミュニケーションには、匂いが大切な働きをしています。たとえば、多くの昆虫は、フェロモンと呼ばれる特別な匂いを使って仲間を呼び集めたり、外敵から身を守ったりしています。また、植物は、匂いを利用して花粉を運ぶ虫を集め、害虫を排除する天敵までも呼び寄せます。
参加者たちは、研究者から簡単な講義を受けた後、植物や昆虫が出す匂いに昆虫がどのように反応するかを観察しました。また、匂いを集めたり分析したりする実験設備を見学し、生物の匂いの役割と秘密にせまる研究について学びました。
害虫のついた植物を観察し、匂いをかいでみる(サイエンスキャスティング2015)
シャーレの中に匂い物質をしみこませたろ紙を置く(サイエンスキャスティング2015)
シャーレに入れた昆虫の行動を顕微鏡で観察(サイエンスキャスティング2015)
匂い物質を集めるためのガラス器具を説明(サイエンスキャスティング2015)