国立研究開発法人農業環境技術研究所生物多様性研究領域の早川宗志農環研特別研究員ほかの論文が、平成28年度日本雑草学会論文賞を受賞することが、平成27年12月、日本雑草学会から公表されました。
この賞は、日本雑草学会の会誌に掲載された原著論文の中から、雑草科学の発展と雑草の制御および利用技術への貢献の面で特に優れた論文を選考し,その著者に授与し表彰するものです。
平成28年3月に東京農業大学(東京都世田谷区)で開催される日本雑草学会第55回大会の中で授賞式が行なわれます。
受賞論文のタイトル、著者、要約は次のとおりです。
Phylogeography based on the nuclear ribosomal DNA internal transcribed spacer region of native Miscanthus sinensis (Poaceae) populations in Japan,
Weed Biology and Management, 14(4), 251-261 (2014)
和訳
日本在来ススキの核DNAのITS領域を用いた系統地理学的研究
著者
早川宗志・赤坂舞子・下野嘉子・黒川俊二・西田智子・池田浩明・若松徹
要約
道路工事後などののり面緑化に用いられる在来緑化植物ススキを対象に、日本全国の地理的な遺伝的構造を把握するために、系統地理学的研究を行いました。現在のススキの系統地理学的分布パターンは南方から北方への分布拡大によって成立したと考えられ、南西諸島と主要4島の間に遺伝的に異なる系統群が分布していることを明らかにしました。
参考ページ
○ ススキの日本自生集団と中国産緑化種子集団との遺伝的差異(農環研 平成25年度主要成果)