「地球温暖化が農林水産業に与える影響の評価及び対策技術の開発」
研 究 実 施 基 本 計 画
(平成16年3月一部改訂)
研究目的
地球温暖化に関しては、気候変動枠組み条約に基づいて採択された京都議定書への対応や地球温暖化に関する最新の科学的知見がレビューされるIPCC第4次報告書作成への貢献が求められている。また、地球温暖化は、農林水産業に大きな影響を及ぼすことが予想されるとともに、温室効果ガスの排出削減目標達成のために総合的な取組が求められている。
このため、吸収源を主体とした炭素収支のモニタリング及びモデル化等を行い、地球
温暖化予測に反映させるとともに、地球温暖化に伴う農業、森林及び漁業への影響評価と予測技術を開発する。さらに、温室効果ガスの排出削減目標達成に資するため、農林業における温室効果ガスの排出削減・吸収・固定化技術を開発する。
研究内容
(1)地球温暖化についてのモニタリング及び将来予測
@ 温室効果ガス及び気候変動の影響についてのモニタリング
A 地球温暖化についての将来予測
(2)地球温暖化の影響及びリスクの解明
@ 地球温暖化に伴う農業への影響把握
A 地球温暖化による森林生態系及び森林資源への影響評価と将来予測
B 地球温暖化が漁業に与える影響の評価と将来予測
(3)温室効果ガスの排出削減・吸収・固定化技術の開発
@ 地球温暖化対策技術の開発
系の編成
本研究の実施に当たり,研究の効率的かつ組織的な推進を確保するため,2に掲げる研究内容を、以下のような形で再整理し、系を編成した。
A.陸域系
1.地球温暖化についてのモニタリング及び将来予測
2.地球温暖化の影響及びリスクの解明
B.水域系
1.地球温暖化についてのモニタリング及び将来予測
2.地球温暖化の影響及びリスクの解明
C.対策系
1.地球温暖化対策技術の開発
研究到達目標
(1)陸域の農業生態系において温室効果ガス収支のモニタリングを行い,湧・吸源の機構を解明する。
(2)森林植生の純一次生産力及び日本周辺海域における低次生態系の生産力に関するモニタリングを行い,それぞれ総合的データベースを構築し,変動特性などを解明する。
(3)世界・アジアを対象とした農業生産力の将来予測及び温暖化影響の経済的評価を行う。
(4)水稲の高CO2濃度及び高温条件での生育障害予測と収量への影響予測を行う。
(5)高温環境が畜肉生産,果樹生産,野菜生産へ及ぼす影響予測を行う。
(6)森林群落動態のモデル化,森林・林業・林産業への影響予測を行う。
(7)日本周辺海域の漁業と養殖魚資源への影響を解明する。
(8)農耕地からの温室効果ガス発生削減効果の実態解明と,ハウスの熱利用の改善にもとづいた最適な温室効果ガス排出削減技術の開発を行う。
(9)畜産業における温室効果ガス放出の削減技術の開発を行い,水質汚染・土壌汚染の防止を考慮した総合的な排せつ物処理改善策を提案する。
(10)林業における温室効果ガスの吸収量評価を行い,二酸化炭素吸収能向上のための森林施業システムを開発する。
(11)温暖化に伴い予想される農地海岸の高潮被害の影響評価及び対策技術の開発を行う。
(12)温暖化が農林水産業へ及ぼす多様な影響を集約し,総合的な影響の姿を示す。
年次計画
(1) 地球温暖化についてのモニタリング及び将来予測
研 究 課 題
研究年次
14
15
16
17
18
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温室効果ガス及び気候変動の影響についてのモニタリング
A
地球温暖化についての将来予測
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(2)地球温暖化の影響及びリスクの解明
研 究 課 題
研究年次
14
15
16
17
18
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地球温暖化に伴う農業への影響把握
A
地球温暖化による森林生態系及び森林資源への影響評価と将来予測
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B
地球温暖化が漁業に与える影響の評価と将来予測
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(3)温室効果ガスの排出削減・吸収・固定化技術の開発
研 究 課 題
研究年次
14
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地球温暖化対策技術の開発
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平成16年度 推進リーダー、チームリーダー(補佐)、サブチームリーダー 一覧
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研究課題及び担当機関