最終更新2005年7月25日


7月のセミナー予定




第466回気象談話会
    日 時 : 7月1日(金) 15:30~16:30
    場 所 : 1F 153室

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
インドシナの降雨変動に関する特徴松本 淳
(東京大学)
吉 本
838-8205





第7回昆虫研究グループセミナー
    日 時 : 7月14日(木) 15:00~17:00
    場 所 : 5F 547室


テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
チョウの味覚受容―産卵の機構の解明を目指して― 土原 和子
(金沢工業大学)
山 中
838-8253
内   容
 チョウは産卵する植物に種特異性があり、例えば、アゲハチョウはミカン科植物、ジャコウアゲハはウマノスズクサ科植物に産卵する。雌チョウは産卵する際、視覚、嗅覚を手がかりに寄主植物を探すが、産卵の最終判断は、前肢による寄主植物の不揮発性成分である産卵刺激物質の認識、つまり味覚である。
 チョウの前肢の第5ふ節部には味覚感覚子があり、これにより産卵刺激物質の認識を行っていると考えられている。これまでチョウの産卵を誘発する植物中の産卵刺激物質は数多く同定されたが、これらの物質を受容する味覚情報の受容・伝達機構については未解明な点が多い。そこで私は、チョウの味覚感覚子の形態を観察し、その感覚子の応答を調べる電気生理学的研究と、結合タンパク質や受容体等を単離しその機能を調べるという生化学的研究の両方から、チョウの味覚受容のメカニズムを解明することを目的として研究を行ってきた。
 今回はチョウの味覚受容の中で、味覚感覚子の電気生理学的解析および行動実験については、ジャコウアゲハおよびミカン科植物を寄主とするシロオビアゲハの知見をもあわせて紹介したい。
テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
ヤマトクサカゲロウChrysoperla nipponensisにおける求愛信号の2型 春山 直人
(千葉大学)
山 中
838-8253
内   容
 ヤマトクサカゲロウChrysoperla nipponensisを含むC. carnea種群は、アブラムシやカイガラムシなど重要な農業害虫に対する旺盛な捕食能力と、北半球一帯にわたる広い分布域、多くの地域で普通種である普遍性、および飼育が比較的容易であることなどから、有力な捕食性天敵として注目されている。carnea種群内では形態的な差異がほとんど認められず、近年まで1種として扱われてきた。しかし、Henry(1979,1983など)によって交尾時に雌雄が振動信号を発して交信すること、いくつかの波形の異なる集団が認められること、波形の異なるもの同士では通常交尾に至らないことが明らかにされ、以降、振動信号の波形を用いた種の細分化が進んできた。
 日本のcarnea種群であるヤマトクサカゲロウは典型的なもの(タイプA)のほかに、長野県の山岳部で幼虫頭部の色彩が異なる個体群(タイプB)の存在が明らかとなっている。両者の間でも振動信号に違いが認められ、研究が行われてきた。Taki et al.(2004)では両者の振動信号を明らかにすると共に、タイプ間での交尾率は非常に低いことを示した。野村ら(未発表)は両タイプの混在する長野一帯の個体群を用いてミトコンドリアDNAのCOI領域の一部配列を決定し、分子系統解析を行った。その結果、伊那谷のタイプAの一部にタイプBに近いミトコンドリアDNAを持つものを認め、タイプ間で交雑が生じた可能性を示した。演者の研究は、この流れに続くものであり、タイプBの新分布域など基礎的な知見を記録すると共に、タイプ間およびF1、F2を用いた交雑実験と、より広範囲な分子系統的アプローチから交雑と遺伝子浸透の可能性について考察する。
 現在演者らはミトコンドリアと核のDNAを用いてcarnea種群の系統関係を探ることに加え、科レベルの系統関係を明らかにすると共に、carnea種群以外ではほとんど確認されていない振動信号や一部幼虫でみられる塵載せについての比較を試みており、現在の状況について簡単に紹介する。





農業環境インベントリーセンターセミナー
    日 時 : 7月14日(木) 15:30~16:45
    場 所 : 4階会議室(453号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
第7回 東・東南アジア土壌科学連合(ESAFS)会議参加報告
Report on the 7th ESAFS meeting, Manila, Philippines.
大倉 利明
上沢 正志
吉田
838-8356
 2005年6月1日から5日まで、農業省土壌・水管理局、土壌研究開発センター(フィリピン国ケソン市)において開催された、第7回ESAFS会 議に参加した。ESAFSの設立は1990年に開催された第14 回国際土壌科学会議(ICSS)(京都)において、水田農業を主体とする、モンスーンア ジアの各国の土壌肥料関連学会が、地域組織として連合体を作り、互いの知識・ ノウハウの共有を目指して発足した。地域組織としては、国際土壌科学連合 (IUSS)の中で、最も早く形成されたが、これは日本の研究者のイニシャティブが発揮された好例である。
 国別会議参加者数は、日本21名、韓国87名、中国3名、台湾9名、スリランカ3名、マレーシア1名、イラン1名、フィリピン84名であった。
 本会議は2年に一度開催され、ホスト国が事務局を担当する。次回2007年の開催国は日本で決定し、日本土壌肥料学会と当所が主催することとなった。
 本報告では、今回のフィリピン開催の経緯と会議後実施された巡検、次回日本での開催に当たっての展望について述べる。 





第2回環境化学分析センターセミナー
    日 時 : 7月19日(火) 15:00~16:00
    場 所 : 環境化学分析センター 1F 共同研究室

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
モンゴル国ステップ土壌における炭酸塩炭素⊿14C値の垂直分布特性と気候要因について

⊿14C variations of pedogenetic CaCO3 in Steppe soils under climatic sequence, Mongolia
浅野 眞希
(筑波大学大学院)
渡 辺
838-7351
内   容
 半乾燥地域に分布する草原土壌には炭酸塩集積層が存在することが特徴である。その生成過程に関して、その形成深度と気候・降水量との関係について既存研究が存在するが、土壌断面内における土壌生成作用による炭酸塩の動態は未だ明確ではない。炭酸塩集積層の存在は土壌の理化学性に大きく影響するため、形成過程を明らかにすることは、気候変動に伴う土壌理化学性変化予測に貢献できると考えられる。また、陸上生態系の炭素循環という観点から、半乾燥地域における炭酸塩の集積過程の解明は近年重要性を増している。そのため炭酸塩集積作用のプロセスを明らかにすることは、生態系における物質循環の解明において、不可欠であると考えられる。そこで本研究はモンゴル国に分布する気候‐植生帯が異なる草原土壌中の土壌生成作用によって生成した炭酸塩を対象として、土壌の炭酸塩集積メカニズムの解明を目的としている。本セミナーでは、炭酸塩集積層の放射性炭素同位体(⊿14C)分布特性から示唆された結果を報告する。






平成17年度第3回
微生物・小動物研究グループセミナー
    日 時 : 7月26日(火) 16:00~17:00
    場 所 : 5階 547室

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
米国土壌生態学会参加報告

Report on the U.S. Soil Ecology Society Meeting
岡田 浩明 松 本
838-8267
内   容
 微生物、菌根菌、土壌動物、線虫およびBiogeochemistryの研究者が参加し、養分循環や地上の植物群落への土壌生物の影響などについて講演が行われた。また、安定同位体を用いた食物網診断、高性能X線照射装置による土壌生物観察、遺伝子組み換え細菌による根圏での水ポテンシャルのモニタリングなど、土壌生態学への新たな技術の利用についても報告があった。主な講演内容を紹介する。
テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
似て非なるもの,ネコブセンチュウによる根こぶと根瘤 初期のシグナル伝達機構は共通(文献紹介)
Root-knots and root nodules, alike in appearance but quite different in nature, may share common signal transduction events
荒城 雅昭 松 本
838-8267
内   容
 ミヤコグサのNod factor受容体遺伝子の変異体はネコブセンチュウに対する寄主としての好適度が下がることなどが報告された。本報告に対し検討を加えながらこのことの意義について考察する。





有機化学物質研究グループセミナー
    日 時 : 7月27日(水) 13:30~14:30
    場 所 : 5F 中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
Sphingomonas属プラスミドの機能解析 久留主 泰朗
(茨城大学)
酒 井
838-8309
テ ー マ 講 演 者
海外出張報告
8th Symposium on Bacterial Genetics and Ecologyに出席して
?遺伝子の乗り物:プラスミドの研究例を中心に?
酒井 順子





植生研究グループセミナー
    日 時 : 7月28日(木) 15:00~
    場 所 : 5F 中会議室(547号室)

テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
雑種タンポポの生理生態的特性と生殖様式

Eco-physiological characteristics and breeding systems of hybrids between native and alien species dandelions (genus Taraxacum)
保谷 彰彦 平舘
838-8246
内   容
 外来種の侵入は生物多様性に対して様々な脅威を与える。特に遺伝的撹乱は、在来種固有の遺伝的多様性に対して不可逆的な変質をもたらすことが危惧されている。また、外来種が雑種化することでさらに侵入性が増加するといった報告もある。このように、雑種の形成過程や分布頻度の増加といった遺伝的撹乱のメカニズムを解明することは、保全生態学的に重要であるのと同時に、種分化の機構を考察する上でも貴重である。
 人里を中心に生育する2倍体の在来種タンポポは有性生殖を行なう。一方、セイヨウタンポポなどの3倍体外来種タンポポは、無融合種子生殖を行なっている。両者は生殖様式の違いにもかかわらず、雑種タンポポが形成され、しかも全国的に分布していることがこれまでに報告されてきた。
 そこで本セミナーでは、雑種タンポポを材料として、種子発芽特性などの生理生態的な特性や雑種後代で形成された非減数性卵細胞の生殖様式などについて紹介し、雑種頻度が増加するメカニズム、および雑種形成過程や浸透性交雑の可能性について考察する。
テ ー マ 講 演 者 連 絡 先
丘陵地谷底水田に接する下部谷壁斜面下端の刈り取り草原における植物種組成と環境要因との対応
Environmental factors affecting plant species composition of herbaceous layer on lowermost hillside slopes in the Yatsuda landscape
山田 晋
(東大緑地研)
平舘
838-8246
内   容
 台地や丘陵地、低山地では、複雑に入り組んでいる谷(や尾根)が複雑な立地の生物空間を作り出している。それに加え、我が国では、人間による古くからの水田耕作、薪炭林の利用といった農業活動が、さらに豊かな生物相の生息に貢献してきた(このような地域を以下、谷津田地域と呼ぶ)。しかし、近年の社会構造の変化に伴う人為攪乱の頻度低下によって、谷津田地域における二次的自然の多様性は大きく低下しつつある。従って今後、多様性が維持されてきたメカニズムを把握し、効率的な保全、復元を行うことが急務となっている。
 谷津田地域では、水田耕作に伴う日照を確保するために、谷に接する斜面の裾部分(裾刈り部)の定期的な刈り取りを行っている。今回の話題提供では、現在も農業活動が継続されている丘陵地の一小流域において、二次林林床、水田田面、水田畦畔の植生と比較して、際だった植物多様性を有する裾刈り部の植物多様性を紹介し、その多様性をもたらしている要因について、自然立地的側面、人為管理の側面から解釈を加える。





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