農業環境技術研究所

最終更新日: 2014年9月16日

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9月の公開セミナー

公開セミナー開催予定
公開セミナー開催記録

9月11日(木曜日) 平成26年度 生物多様性研究領域セミナー 第3回

9月25日(木曜日) 第548回気象談話会

9月29日(月曜日) 平成26年度 農業環境インベントリーセンター第1回セミナー

9月30日(火曜日) 生態系計測研究領域セミナー

平成26年度 生物多様性研究領域セミナー
第3回

日時: 平成26年9月11日(木曜日)
15:00~17:00
場所: 547会議室(農環研本館5階)

テーマ 講演者 連絡先
サギ類群集の繁殖コロニーの動態についての生態学的・歴史的研究 益子美由希
芝池
電話 838-8271
要旨

農業活動と生物多様性保全の調和を図っていくためには、農業生態系を構成する生物群集の動態に関する基礎情報の把握が必要である。今回は、水田を中心とした農地を代表する生物として、サギ類を取り上げる。サギ類は、水田を主な餌場とする大型の鳥類で、複数種の多数個体が混在したコロニー(集団繁殖地)を形成して繁殖する。かつては関東平野にも、数万羽が繁殖するコロニーがあったが、戦後の開発の影響を受けて消失した。その後、サギ類群集は小規模分散化してきたといわれているが、近年の動態はわかっていない。本セミナーでは、国内のサギ類の主要な生息域のひとつとなっている茨城県周辺における、過去30年余のコロニー調査から明らかになってきた、サギ類各種の個体数の変化や、コロニーの場所選択メカニズムを紹介する。また、各地の愛鳥家の書棚や記憶を辿っての関連資料の編纂から、サギ類群集の動態やコロニーの変遷を通して農業生態系の変化を探る可能性についても検討したい。

テーマ 講演者 連絡先
農業利水施設を対象とする付着性二枚貝の被害対策 伊藤健二
芝池
電話 838-8271
要旨

淡水付着性二枚貝のカワヒバリガイは国内での生息確認からほぼ四半世紀が経過した。本種の侵入当初は人間の生活に及ぶ被害報告はほとんどなかったが、現在では幾つかの地域で本種の発生に伴う通水障害や悪臭などの被害が報告されるようになっている。本種への対策は主に施設内に発生した貝の物理的な除去を通じて行われることが多いが、そもそもどのような対策がありえるのか、その対策が現状に適したものなのかについては、十分な検討がなされているとは言いがたい。

本講演はこれまでの淡水性付着性二枚貝による利水施設への被害と対策に関する知見の整理を行い、特に農業用利水施設での被害対策について適応可能な手法についての検討を行う。更に、我々が現在進めている「カワヒバリガイの拡大予測・対策」の可能性について、これらの知見を踏まえた検討を行う。

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第548回気象談話会

日時: 平成26年9月25日(木曜日)
13:30~
場所: 農環研 研究本館5F 547会議室

テーマ 講演者 連絡先
Temperature Difference between Meteorological Station and Nearby Farmland
-Case Study for Kumagaya City in Japan-
Tsuneo KUWAGATA
(Agro-Meteorology Division, NIAES)
小野
電話 838-8239
要旨

Many of the surface meteorological stations of the Japan Meteorological Agency are located in urban areas, but few stations are located in farmland. The seasonal variation in temperature difference between a meteorological station in an urban-area and nearby farmland in Kumagaya City was examined over 2010-2012. The daily mean, maximum, and minimum temperatures (Tmean, Tmax, and Tmin) at the meteorological station (urban site) were higher than at the nearby farmland site across all seasons. Differences in the monthly temperatures between the two siteswere 0.17-0.90°C (Tmean), 0.55-1.63°C (Tmax), and 0.20-0.62°C (Tmin),and the maximum differences were in August (Tmean and Tmax) and April (Tmin). Large temperature difference over 1°C for Tmax were observed during the paddy rice-growing season in farmland from July to September. Differences in daily Tmax and Tmean between the two sites increased with daily solar radiation Sd. The sensitivities of these temperature differences to Sd were larger during the paddy rice-growing season. The number of “extremely hot days” (Tmax >= 35°C) at the farmland site was only 36% of the number at the urban site, while the relative proportion of “sultry nights” (Tmin >= 25°C) was 62%. The main part of this study has been already summarized in Kuwagata et al. (SOLA, 2014, 10, 45-49, doi:10.2151/sola.2014-010), and some additional results will be presented in the seminar.

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平成26年度 農業環境インベントリーセンター
第1回セミナー

日時: 平成26年9月29日(月曜日)
15:00~17:00
場所: 453会議室(4F)

テーマ 講演者 連絡先
食物網の構築・崩壊機構に対する理論的研究 高橋 大輔(Daisuke TAKAHASHI)
白戸
電話 838-8235
大澤
電話 838-8372
要旨

群集動態を理解するうえで、その中の生物間相互作用を無視することはできない。この生物間相互作用は、進化的時間スケールにおいて動的に変化しうる。この相互作用の動態を含めて解析することで、進化動態が群集動態に与える影響を考えることができる。本研究では食う食われる関係に注目し、理論モデルを用いることで、生物間相互作用の進化によって食物網構造が構築・崩壊するプロセスを解析した。解析から、最も低い栄養段階の種とそれを直接消費する種の動態が、群集全体の構築及び崩壊に関して大きな影響を持っていることが明らかになった。

テーマ 講演者 連絡先
葉の上下面における環境異質性がダニの捕食-被食関係に及ぼす影響 須藤正彬(Masaaki SUDO)
白戸
電話 838-8235
大澤
電話 838-8372
要旨

農業害虫であるハダニ類や、その天敵であるカブリダニの多くの種は植物葉の下面のみに生息し、太陽光紫外線(UVB)や風雨、(ギルド内)捕食者を回避するための適応と考えられてきた。しかしチャノヒメハダニやミカンハダニといった一部の植食性ダニは、葉の上下両面に分布し産卵する。カブリダニでは餌資源の分布、ギルド内捕食者および環境ストレスからの回避の全てにおいて、葉の上面利用はデメリットのみを有する。このとき植食者は、もしも葉表の餌の質が葉裏に対して劣っておらず、各季節に応じたUVB等の環境ストレスに対する十分な耐性を有していたならば、カブリダニの少ない上面に留まることで捕食回避上の利益を享受するだろう。本発表ではこのギルド間差異に着目し、チャノヒメハダニの捕食回避および季節的個体群消長に、葉における上下面という異質なハビタットの存在が果たす役割を検討する。

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生態系計測研究領域セミナー

日時: 平成26年9月30日(火曜日)
13:30~(2時間程度)
場所: 5階 547会議室

テーマ 講演者 連絡先
第3回統計GISセミナー 三輪哲久氏
大東
電話 838-8224
要旨

農業研究・生態学研究では,2 つの確率変数の比を計算することがよくあります。たとえば形態学的な研究では,植物の葉の長さ X と幅 Y に関して,その比Z=Y/X の値を計算します。このとき,もとの X と Y が正規分布に従がっていると,比 Z=Y/X の分布は極めて複雑になります。

そのためか,某学会では,確率変数の比を計算することに対して,過敏な反応が示されてます。しかし,心配することは全くありません。それは,実際に「正規分布に従がう現象は存在しない」からです。葉の長さ・幅も,コメの収量も,人間の身長・体重も,ある植物による被覆面積も,決して正規分布には従いません。したがって,これらの確率変数の比を計算しても何の問題もないのです。

今回のセミナーでは,確率分布の比について考えてみます。

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