第19回土・水研究会
 
 
作物によるカドミウムの吸収とその抑制技術
−コ−デックスの動向とわが国の現状−
 
趣 旨
 
FAO/WHO合同のコーデックス委員会における食品中カドミウム含量の厳しい基準値設定の動向が、世界的な注目を浴びている。一方、わが国の主要な米生産地においても、現基準によるカドミウム汚染米や準汚染米の検出頻度が無視できない状況であって、よりいっそう厳しい基準値が設定された場合、その影響は甚大である。よって、安全な食料の確保並びに国際的なカドミウムの規制強化の動向に緊急に対処する必要がある。
 
農林水産省では、2001年からカドミウム汚染の対策事業を開始するとともに、厚生労働省と連携してカドミウム毒性に関する疫学調査に着手した。また、農業試験研究機関では、農耕地へのカドミウム負荷経路や作物による吸収・移行・蓄積のメカニズムの解明、さらに、カドミウムの吸収抑制技術の開発等のプロジェクト研究を行っている。
 
 本研究会は、まず、コーデックス委員会による基準値設定の動きに対するわが国の現状と対応を整理する。次に、カドミウム汚染・準汚染土壌に対する現地における取り組み、作物のカドミウム吸収抑制メカニズム、さらに、環境修復植物作出の可能性等について討議し、効率的かつ効果的な汚染浄化技術の開発の可能性を探る。
 
 
主  催
開催日時
開催場所


独立行政法人農業環境技術研究所
平成14年3月6日(水)10:00−17:00
農業環境技術研究所 大会議室
 
プログラム
1.あいさつ 10:00〜10:10

 
陽 捷行  独立行政法人 農業環境技術研究所
 
2.カドミウムをめぐるコーデックスの動向とわが国の対応 10:10〜10:50
  朝倉健司  農林水産省生産局農産振興課
 
3.カドミウム規制強化に伴う研究の変遷と課題 10:50〜11:30
  深見元弘  宇都宮大学農学部
 
4.わが国の農耕地土壌中に蓄積されたカドミウムの実態 11:30〜12:10

 
中井 信  独立行政法人 農業環境技術研究所
 
(昼食) 12:10〜13:10
 
5.秋田県におけるカドミウム汚染対策技術と課題 13:10〜13:50
  佐藤福男  秋田県農業試験場生産環境部
 
6.ダイズによるカドミウムの吸収及び移行特性 13:50〜14:30

 
織田久男  独立行政法人 農業環境技術研究所
 
7.カドミウム吸収能の低いイネ・ダイズの検索 14:30〜15:10

 
阿江教治  独立行政法人 農業環境技術研究所
 
8.遺伝子組換えによる植物への重金属耐性能の付与 15:30〜16:10
  長谷川 功  日本大学生物資源学部
 
9.総合討論 16:10〜17:00
 
参集範囲 国公立・独立行政法人試験研究機関、大学、行政部局、関係団体等
連 絡 先 農業環境技術研究所 化学環境部 重金属研究グループ長 樋口太重
    〒305-8604  つくば市観音台3-1-3
    (E-mail : higuti@niaes.affrc.go.jp)
    TEL:0298-38-8311、FAX:0298-38-8199