開催日時: 平成16年9月29日(水) 10:00-17:00
開催場所: 農業環境技術研究所 大会議室
1.開催趣旨
ダイオキシン類、ドリン剤等POPs(残留性有機汚染物質)は土壌中できわめて安定で残留性が高く、農作物汚染の可能性や周辺環境への拡散性について懸念されている。POPsの土壌残留性には土壌中の各種吸着基等の物理化学性が深く関与しており、POPsは土壌中で様々な相互作用を繰り返しながら安定化すると考えられている。30年以上前に使用禁止となっているにも関わらず、ドリン剤がキュウリから現在でも検出される事例は、土壌中に未だに作物に吸収される状態でドリン剤が残留していることを示している。このようにダイオキシン類、ドリン剤等POPsの土壌中での残留性には、食の安全・安心の視点からも一層の関心が寄せられている。
本研究会では、土壌中でのPOPs等の吸着や安定化メカニズムに関連する最近の研究を紹介する。また、吸着メカニズムを応用した環境リスク低減技術などについても論議し、今後の研究方向を探る。
2.講演タイトル(仮題)と演者(予定)
10:00 - 10:10 あいさつ
農業環境技術研究所理事長
(POPs問題の現状)
10:10 - 10:50 我が国の農薬環境行政におけるPOPs対策
環境省・農薬環境管理室 更田真一郎
10:50 - 11:30 過去40年間における農耕地土壌中POPsの推移
農業環境技術研究所 清家伸康
11:30 - 12:10 農耕地におけるドリン剤の土壌残留および作物への移行
東京都農業試験場 橋本良子
12:10 - 13:10 (昼食休憩)
(土壌残留メカニズムとリスク評価)
13:10 - 13:50 除草剤の土壌吸着量は予測できるのか?
畜産草地研究所 江波戸宗大
13:50 - 14:30 火山灰土壌の有機汚染物質吸着特性
農業環境技術研究所 平舘俊太郎
14:30 - 14:50 (休憩)
14:50 - 15:30 土壌中における有機化学物質の生物有効性(bioavailability)の評価
名古屋大学 片山新太
(吸着現象を活用したリスク低減技術)
15:30 - 16:10 水田からのダイオキシン類等POPs流出防止技術の開発
農業環境技術研究所 牧野知之
16:20 - 17:00 総合討論
参集範囲:
国公立・独立行政法人試験研究機関、大学、行政部局、関連団体等
参加申込み・問合せ先:
農業環境技術研究所 化学環境部 有機化学物質研究グループ長 長谷部 亮
305-8604 茨城県つくば市観音台3-1-3
TEL: 029-838-8301, FAX: 029-838-8199, E-mail: hasebe@niaes.affrc.go.jp