開催趣旨:
食品リサイクル法の施行により、都市生ゴミ等の有機質資源のコンポスト化と農耕地への還元が加速されようとしている。しかし、わが国の農耕地では、家畜排泄物などの有機質資材が長年にわたり投与され、すでに、環境容量を超える負荷物質を蓄積している土壌が多く見られる。
今後、リサイクルにより多量に排出されてくる有機質資源の受け皿として、農耕地の果たす役割は限られたものになると考えられる。さらに、改正された水質汚濁防止法や家畜排せつ物法によって、農業分野から排出される環境負荷物質に対して厳しい規制が課せられており、生産現場における環境負荷の軽減は緊急の課題になっている。
当研究所では、これまでに農業環境研究叢書第12号「農業におけるライフサイクルアセスメント」、第16号「農業を軸とした有機性資源の循環利用の展望」を刊行し、有機質資源リサイクルをライフサイクルアセスメント手法等を用いて総合的に評価することが不可欠であることを指摘してきた。
本研究会では、食品リサイクル法・家畜排せつ物法の施行等の最近の情勢変化と、最新の研究動向を踏まえて、わが国における有機質資源の循環、並びにそれに伴う環境負荷の現状と対策について討議する。
開催日時: 平成17年2月23日(水) 10:00〜17:00
開催場所: 農業環境技術研究所 大会議室
プログラム
10:00 - 10:10 あいさつ
農業環境技術研究所理事長 陽 捷行
10:10 - 10:30 開催趣旨について
農業環境技術研究所 齋藤雅典
10:30 - 11:05 わが国の1980年代以降の窒素収支の変遷
農業環境技術研究所 織田健次郎
11:05 - 11:40 未利用有機系廃棄物の有効利用を目指した「バイオマス立県ちば」の環境影響評価
産業技術総合研究所 玄地 裕
11:40 - 12:15 都市生ゴミのリサイクルシステムと地域農業との連携
中央農業総合研究センター 佐藤和憲
(昼食)
13:15 - 13:50 コンビニエンスストアにおける食品残渣リサイクルの取り組み
株式会社セブン−イレブン・ジャパン 山口秀和
13:50 - 14:25 バイオマスの循環システム−沖縄宮古島を対象とした研究事例
農業工学研究所 凌 祥之
14:25 - 15:00 ライフサイクルアセスメント手法等を用いた畜産環境影響評価
畜産草地研究所 島田和宏
(休憩)
15:15 - 15:50 流域生態系における土地利用のエコバランス評価
東京農工大学大学院 木村園子ドロテア
15:50 - 16:25 中規模流域における施肥および有機物施用の環境影響評価
農業環境技術研究所 三島慎一郎
16:25 - 17:00 総合討議
申し込み・問い合わせ先:
305-8604 茨城県つくば市観音台3-1-3
独立行政法人 農業環境技術研究所
化学環境部 栄養塩類研究グループ長 菅原和夫
電話 029-838-8322 ファクシミリ 029-838-8199
E-mail: sugahara@niaes.affrc.go.jp