農業環境技術研究所は、2012年7月9日から12日まで、つくば国際会議場(茨城県つくば市)において、世界作物FACEワークショップ2012(World Crop FACE Workshop 2012)を開催します。
開催趣旨
開放系大気CO2 増加(Free-air CO2 enrichment, FACE)実験による、農業生態系への気候変動影響の研究は、将来の農業の生産性と環境調和性の両立のために重要な役割を果たすものと期待されます。しかし、現在、世界で実施されている大規模な作物FACEは、日本、アメリカ、ドイツ、オーストラリア、中国、イタリアの6か所のみで、これらの相互連携の強化が望まれています。そこで、現在、活動中の全作物FACEの専門家が集まる場として会合を開催し、FACE間の連携の強化を図るとともに、多地点FACEを利用した共同実験の提案、若手の人材料交流などに役立てます。
このワークショップは、世界のすべての作物FACE研究者が一堂に会し、これまでの活動を紹介するとともに、今後の共同研究の方向を議論する重要な機会です。また、農業生態系や作物モデルの研究者との交流の場を設けることで、気候変動適応・緩和研究の学際的な発展を図ります。さらに、世界の気候変動影響に関する先端的研究から、モンスーンアジアにおける農業環境を向上させるための知見を得ることを目的としています。
なお、このワークショップは、(独)農業環境技術研究所が主催する MARCO ( http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/marco/ )シンポジウム 2012 のサテライト ワークショップとして開催されます。
開催日時: 2012年7月9日(月曜日) 〜 12日(火曜日)
開催場所: つくば国際会議場(エポカルつくば)(茨城県つくば市)
参加機関: 日本つくばFACE、 ドイツ FAL FACE、 中国 FACE、 米国 ダイズ FACE、 オーストラリア AGFACE、 ニュージーランド FACE、 イタリア Durum FACE、 IRRI FACE、 ドイツ Mini FACE
問い合わせ先
ワークショップ開催事務局
電子メール thase-Tsukuba_FACE_WS@affrc.go.jp
プログラム
7月9日 (9:30-17:15)
I. 各地のFACE実験の経験
II. 方法論的チャレンジ
1.FACE 制御とその課題
2.他の環境条件の制御
7月10日 (9:00-17:15)
III. 科学的チャレンジ
1.遺伝形質と CO2 応答
2.CO2 と他の環境要素 (温度・水・オゾン他)との相互作用
7月11日 (9:00-17:15)
3.農業生態系の応答
4.CO2 応答モデル
意見交換会
7月12日 (9:00-12:00)
IV. 今後の共同研究に向けて
(13:00- )
V. エクスカーション
(つくばみらい FACE サイト 見学)