生物研ニュースNo.47
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会議報告
NIASシンポジウム「ポストゲノム時代の害虫防除研究のあり方」 第5回 殺虫剤抵抗性問題の最前線

効率的かつ効果的な害虫管理のあり方とは

 生物研は、各研究機関と協力し、カイコゲノム研究の害虫ゲノム研究への応用・展開を主導的に進めています。シンポジウムシリーズ「ポストゲノム時代の害虫防除研究のあり方」は、その成果を独立行政法人、大学、県、民間に所属する農業害虫関係の研究者に広くアピールする場として企画されました。5回目となる今回は、平成24年11月15日(木曜日)に東京都千代田区の秋葉原コンベンションホールにおいて、(独)農研機構・中央農業総合研究センターとの共催で開催され、約180名が参加しました。

 農業生産現場で問題となっている「(害虫の)殺虫剤抵抗性」と「害虫管理」の問題に焦点を当て、現状の把握や、問題が起こるメカニズム、ゲノム研究といった基礎面から、モニタリングや管理方法といった応用面まで、9件の講演が行われました。生物研からも、任期付研究員の上樂 明也が「殺虫剤抵抗性問題へのゲノム情報の活用」について報告しました。講演後に行われた総合討論では、各講演に対して予定の時間を超えて熱心な質疑が行われ、殺虫剤抵抗性の害虫の管理が極めて重要な問題であること、また害虫管理に関する研究の進展が期待されていることが再認識されました。シンポジウム後の交流会にも60名の参加があり、活発な情報と意見交換が行われました。当該テーマの研究が社会的に求められている現状を、改めて感じたシンポジウムでした。

アニマルシンポ 写真
総合討論はパネルディスカッション形式で行われました

[昆虫科学研究領域 昆虫成長制御研究ユニット 塩月 孝博]

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