生物研ニュースNo.51

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会議報告

第12回国際ムギ遺伝学シンポジウム

コムギ研究の今、ゲノム研究から品種改良まで

任期付研究員 小林史典
の講演の様子

 9月8日(日曜日)〜14日(土曜日)にパシフィコ横浜において、第12回 国際コムギ遺伝学シンポジウム(12th IWGS)が開催され、世界36カ国から関連分野の研究者など411名が参加しました。「ゲノム分析からゲノミクスへ ―コムギゲノム解析の育種への展開―」をテーマに特別講演と10のセッションが行われ、ゲノム科学から遺伝子機能解析、さらには系統進化から育種(=品種改良)に至るまで、コムギの遺伝学研究に関する最新の成果が報告されました。生物研は2つのセッション「コムギの全ゲノム解読に向けて」及び「構造と機能ゲノム科学」のスポンサーとして運営に協力するとともに、任期付研究員の小林史典と主任研究員の田中剛が、生物研が進めるコムギのゲノム解読の成果とその応用について講演しました。近年のゲノム研究の飛躍的な進展により、コムギの遺伝学が、育種などを通じて実際のコムギ生産に直接貢献できるようになってきました。本シンポジウムでは、コムギの新しい育種技術を世界の農業現場にどう活かしていくかについても、活発な議論が行われました。

 コムギ遺伝学の発展には、コムギの祖先を発見した故・木原均先生をはじめ、日本の研究者が重要な貢献をしています。木原先生ゆかりの地、横浜で本シンポジウムが開催されたことで、我が国のコムギ遺伝学の伝統や、我が国が保有するコムギ及び近縁属の遺伝資源の育種素材としての重要性が改めて示され、その点でも意義深いシンポジウムとなりました。

各国から集まった参加者たち

411人中296人が、中国、オーストラリア、アメリカなど海外から集まりました。

[農業生物先端ゲノム研究センター 作物ゲノム研究ユニット 半田 裕一]

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