理事長 廣近洋彦による
開会挨拶
10月18日(金曜日)に茨城県つくば市のつくば国際会議場にて、生物研主催、農研機構共催の公開シンポジウム「ゲノム情報を駆使した次世代作物育種への展望」が開催され、独立行政法人、大学、民間、県などから関連分野の研究者など約200名が参加しました。
センター長 矢野昌裕が
本シンポジウムのねらい
を説明
次世代シークエンサー(DNA配列の解読装置)をはじめとする様々な新技術により、作物の育種(=品種改良)は大きく変わろうとしています。特に近年、多数の個体の中から良いものを選ぶ際に「ゲノム全体のDNA配列情報」を指標に用いる「ゲノム選抜育種法」が開発され、家畜の育種に使われ始めています。そこで本シンポジウムでは、ゲノム選抜育種法を作物の育種に使うための理論や技術、及び各作物でのゲノム選抜育種法による育種の実践の試みを紹介するとともに、次世代の作物育種のあり方について考えました。シンポジウムでは10の講演が行われ、東大の岩田洋佳氏と農研機構 果樹研の山本俊哉氏からは、ナシでどの両親の組み合わせから、どのくらいの確率で目的形質の個体を得られるかを予測する技術、神戸大の山崎将紀氏や理研の七夕高也氏からは、多数の個体の形質(性質・特長)を効率的に評価するシステムが紹介されました。生物研からはユニット長の山本敏央と主任研究員の加賀秋人が、それぞれイネとダイズでのゲノム選抜育種法の導入状況について紹介しました。
会場の様子
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