受賞タイトル:
宿主抵抗性因子Tm-1のトマトモザイクウイルス複製タンパク質認識機構の解明
受賞者:上級研究員 加藤 悦子
(農業生物先端ゲノム研究センター 生体分子研究ユニット)
[生物研所属の共同受賞者]
石橋 和大、石川 雅之(植物科学研究領域 植物・微生物間相互作用研究ユニット)、
小林 千歩子(生体分子研究ユニット)
受賞日:H25年11月10日
共同研究者と
左から2番目、賞状を持っているのが筆者。
トマトのTm-1は、トマトモザイク病の原因となる「トマトモザイクウイルス(ToMV)」の増殖を抑えるタンパク質です。Tm-1はToMVの増殖に必須なヘリカーゼというタンパク質に結合してその働きを阻害することにより、ToMVの増殖を抑えています。私たちはX線結晶構造解析という方法でTm-1とヘリカーゼが結合した状態の構造を調べ、Tm-1がどのようにヘリカーゼの働きを阻害しているかを解明しました。
日本ウイルス学会は動物ウイルスの研究発表が中心で、私たちの植物ウイルスに関する研究がどのように受け入れられるか心配しながらの初参加でしたが、予想に反して多くの方々から興味を持っていただきました。また、今回の発表を機に新たな共同研究も始まりました。今後もウイルスの複製に関する構造生物学的な研究を進めていきたいと考えています。
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