参考資料2
キクの培養を用いた放射線育種法
花類では、植物体へ放射線を照射した後、花に花色の変化した部分が現れても、突然変異体は分離できなかった。また 栄養繁殖(挿し木や株分けなど)の植物では、キメラの不完全な変異体となり、利用価値が低かった。
照射された植物から花弁、つぼみ、葉などの器官を培養して再分化植物を得ると、高い頻度で様々な花色を持つ完全な変異体が、短期間に得られるようになった。照射法や培養器官により花色の突然変異率は大きく変化し、最高の花色変異率は、緩照射植物の花弁を培養した再分化個体に現れた。桃色花の原品種「大平」から花色変異の6品種が育成され、切花用に栽培されている。この方法は他の作物にも有効であり、有用な品種が育成されている。
今回この方法によって、さらに4品種が育成され、総計10品種のうちのうち9品種は、ガンマーフィールドにおける緩照射から、1品種が急照射から誘発された。
図1.ガンマーフィールド
キクの幼苗を植え付け、緩照射をする。
図2.原品種「太平」
図3.花色突然変異のセクター
図4.器官培養(花弁)
図5.培養からの再分化個体
図6.キクの試験栽培圃場
図7.ガンマ線緩照射と花弁培養から得られたキク花色突然変異体
右上:原品種「太平」、他は突然変異体
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