研究者から一言
私たちが持続的に発展していくためには、深刻化している食糧不足や環境悪化といった問題を解決していかなくてはいけません。過酷な環境下で栽培しても一定の収量を確保することができる品種や、栄養成分や医薬品の原料となる成分を高蓄積した品種など、新規の作物・植物品種を一刻も早く育成することが不可欠です。これまでに研究者が蓄積してきた膨大な研究成果の中には、このような新作物を育種するために必要な知見が山のようにあるはずです。しかし、そのような基礎的な情報をもとに、遺伝子を自在に改良(デザイン)し、新しい作物を育種することは、まだ容易ではありません。
今回の研究では、イネをモデルとして、どの研究室でも簡単に実験できるような、狙った遺伝子だけを自在に改変する汎用的技術の開発に取り組みます。この開発に成功すれば、遺伝子のデザイン育種が一段と進み、これまでになかった特性を持つ作物品種が多数作出されると期待しています。
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