転落転倒時に安全キャブ・フレームが命を守る! |
乗用トラクターの転落転倒事故によって全国で年間90人近くが亡くなり、死亡事故の最大の原因となっています。平成17年度に行われたアンケート調査 で、このような事故が発生した際に、安全キャブ・フレーム(以下「ROPS」)の救命効果が極めて高いことが判明しました。
農研機構農業機械研究部門が行う安全性検査では、昭和54年度から乗用トラクターのROPS装備に関して段階的に基準を強化し、平成9年度からは全ての乗用トラクターへの装備を基準として定めています。
現在ROPSが装備されていない乗用トラクターをお使いの場合は、中古購入の場合を含めて、ぜひROPSが装備されたものへの更新をお願いいたします。(現在の機械にROPSを後付けする場合は、可否をメーカにご確認ください)
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安全キャブ・フレームにはシートベルトを! |
農研機構農業機械研究部門ではROPSの検査を行っていますが、転落転倒事故を想定して定められた負荷をROPSにかけた時に、座席に固定されている運転者を守る空間を確保できる強度があるかどうかということで合否が判定されます。つまり、運転者がシートベルトで座席に固定されていることが安全確保の前提なのです。
ところが、平成17年度に行われたアンケート調査 によると、ROPSが付いた乗用トラクターを持っていても、シートベルトを常時締める人は5%、路上のみで締める人が11%と、少数でした。転落転倒の状況にもよりますが、シートベルトを締めていないと、運転者が投げ出される可能性が高くなります。こうなると、安全フレームでは運転者がどうなるかは運次第ということですし、安全キャブでもキャビンの中で運転者はあちらこちらにぶつかります。これでは負傷は免れませんし、さらに重大な結果を招くおそれもあります。
ROPSはシートベルトとセットで運転者を守ります。万一の時のために、少なくとも車庫と圃場を往復する間は、しっかりシートベルトを締めましょう。できれば、作業中にも多少ゆるめにしてでも締めておきたいものです。なお、シートベルトを締めていても、転落転倒時に頭部は大きく動いてどこかにぶつかる可能性がありますので、ヘルメットを着けると一層安全です。
ROPSは一定の範囲で強度を保証するもので、いかなる場合にも大丈夫という訳ではありません。事故に遭わないよう慎重な運転をすることが一番大切なのは言うまでもありません。

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