農作業安全コラム

ISOの試験所認証とGAP認証の共通点

R2年12月 松本 将大

 この度、革新工学センターで行っている安全性検査のうち、「安全キャブ・フレーム検査」において、試験所の能力を証明する国際規格であるISO/IEC17025の認証(以下認証)を取得しました。

 この認証は「試験所認定」とも呼ばれ、試験所が行っている試験における、組織マネジメント体制、試験の方法・手順・結果等について妥当性があるか、使用機器管理の適切性、試験員の実力(力量)、試験での測定値における人や計測機器等に依存する値のばらつき(不確かさ)の影響を特定しているか、日々の業務で起こりうるリスクを抽出し、改善のための取り組みがされているか、これら全てが文書化されているかを第三者機関が審査し、試験所としての能力・信頼性を証明するものです。

 認証審査を受けて感じたことは、GAP(農業生産工程管理)認証と似ているということです。GAPとは、農業において、「食品安全」、「環境保全」、「労働安全等の持続可能性」を確保するための事業者自ら行う生産工程管理の取組を指します。
 マネジメント体制や各種作業手順の文書化、作業の記録、結果について点検を行い、継続的な経営の改善・効率化を図る。まさにGAPで要求されるPDCAサイクルそのものではないでしょうか。事実、審査員の方もPDCAサイクルの重要性を何度も口にされていました。また、当センターでも認証取得に取り組むうえで、業務の改善点や効率化すべき点が見えてきましたので、もし業務の効率化や安全性向上にお悩みの方はGAP等の認証取得を検討してみてはいかがでしょうか。

 今回の認証やGAPを取得することの本質は、絶え間ない業務改善(PDCA)による、「安全で信頼のある認定者として、顧客やユーザー(従業員含む)に高品質なサービス(労働環境)を提供し続けていくことの宣言」にあり、その結果として世間に受け入れられるブランドとしての付加価値がついてくるのだと感じています。

 

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