農作業安全と感染症について
R2年3月 梅野 覚
私がこのコラムの原稿を執筆している時点では、国内にて新型コロナウイルスの感染が広がっており、国内の感染者は140名以上となっております。厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスの感染症対策には、手洗い・咳エチケットが重要とのことです。改めて、手洗い・咳エチケットの重要さを再認識した次第です。
感染症に関連しまして、農作業における感染症の中でも恐ろしい破傷風について調べました。破傷風は破傷風菌が体内に感染し、その菌から産生される神経毒素により全身的な痙攣、呼吸困難等が起こる死亡率の高い非常に危険な病気です。また、破傷風菌は世界中の土壌に広く分布していることから、日常生活において接触を完全に遮断することは不可能とのことでした。このように、非常に危険で怖い破傷風ですが、感染を防ぐためには怪我をしないこと、予防接種を受けることが大事とされています。
農作業中には、怪我をする場面が多く存在します。刈払機を例に挙げますと、草刈り中に切断した草や小石等によって怪我をする場合があります。この場合、長袖・長ズボンの作業着、手袋、安全靴、フェイスシールド、脛当て等を着用することにより怪我を防ぐことが期待できます。また、刈払機の刈刃の点検や飛散物防護カバーの装着等、機械側の安全対策を行うことでも怪我を防ぐことが可能です。そして、このような怪我を防ぐ安全対策は、同時に破傷風にかかることも防ぐ効果があります。まずは、これらの対策を万全にした上で、さらに万が一の場合に備えて、必ず破傷風の予防接種も受けておくことも大切です。
今回は感染症に関連して、破傷風と農作業安全の関係について考えましたが、あらためて自分自身も、日頃からの防護具の着用や点検、予防接種といった事前の対策の大切さを再認識しました。皆様も農繁期前に今一度、これらの対策が十分行われているか、確認してみてはいかがでしょうか。
参考情報:国立感染症研究所「破傷風とは」