農作業安全コラム

盗難にはご注意ください

R3年7月 塚本 茂善

 先日、個人間のカーシェアリングサービスを悪用した車の盗難事件をニュースで見ました。この事件は個人間でカーシェアした車を勝手に売却して、そのお金を持ち去るというものです。これまでにも車を借りたあとにネットオークションなどに出品して売却し、換金するという手口の事件はあったようですが、今回ニュースになったものは、車を借りる前に既にネットオークションなどで商談を成立させた上で、その受渡日にあわせて車を借り、そのまま売却するという新しい手口だということです。私自身はカーシェアリングのサービスを利用したことがありませんが、今後もカーシェアリングの市場は伸びていくことが予想されており、セーフティネットも強化されていくでしょう。

 さて、農業機械の場合には知らない人に貸し出すということはないと思いますので、上記のような被害はないかもしれませんが、農業機械、特にトラクターは毎年多くの盗難被害が発生しています。
 全国のトラクターの盗難被害状況についてはわかりませんが、自治体レベルでは被害状況が公表されていたり、盗難に関する注意喚起がなされていたりします。また、盗難の状況を見てみると、半数近くが格納庫からという報告もあり、しっかりと格納庫に入れていても盗難被害にあってしまうという現実に驚きました。
 トラクターの盗難防止策として、面倒でも格納庫にしまい、格納庫は施錠、トラクターからキーは外して保管するといった対策が基本のようですが、それだけでは十分ではないということで、防犯カメラやセンサーライトの設置、トラクターにハンドルロックやタイヤロックをするなどの対策も推奨されているようです。

 トラクターは大変高価な農業機械であり、盗難に遭えばその損失はもちろんのこと、その後の農作業にも大きく影響を及ぼしてしまいます。また、もし機械をやり繰りできたとしても、作業の遅れを取り戻そうとして無理をしたり、慣れない機械で操作を誤ったりと、農作業事故につながる危険が生じる可能性もあるのです。
 うちは大丈夫と思わず、できるだけの対策をし、大切な農業機械を守るようにして下さい。

 

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