1割を占める危険
R5年7月 紺屋 朋子
2週間ほど前に、事故事例検索を更新しました。17件の事故事例を追加し、合計217件となりました。調査にご協力くださった皆様に感謝申し上げます。そして、ご協力くださった皆様の「ほかの人たちには同じ思いをしてほしくない」との願いが届きますよう、一人でも多くの方が、事故事例を参考に、ご自身の安全対策を見直し、実践していただけることを願っております。
事故事例検索では、作目、事故形態、機械用具名称を絞り込んで事例を探すこともできます。ご自身の作目や使用している機械と全く同じ事例が見つけられない場合には、類似する事例を参考にしていただければと思います。
ところで、掲載している217件の事故事例には含まれていないものの、農作業死亡事故の約1割を占める(農林水産省、令和3年要因別の死亡事故発生状況)身近な死亡事故があります。作目や使用している機械に関わらず、誰にでも起こり得る事故です。7月8月の発生が85%を占め、まさにこれから危険シーズンとなる、そう、熱中症です。
農水省は農作業中の熱中症予防のポイントに、①暑さを避ける、②こまめな休憩と水分補給、③単独作業は避ける、④熱中症対策アイテムの活用、を挙げています。
④について、近年では空調服を見かける機会も珍しくなくなりました。使用している仲間に感想を聞いたところ、「涼しい」、「だいぶまし」と、概ね好評です。「使用中には劇的な涼しさを感じなくとも、作業後の疲労感が少なくなった」といった声もありました(※いずれも個人の感想です)。
また、様々な冷涼グッズも店頭を賑わせています。こういった商品を活用することで、暑さによるイライラや疲労感が和らぎ、心に余裕ができて、面倒がらずに、②こまめな休憩と水分補給を取る行動に繋がるのではないかと期待します。
本格的な夏を目前に、ご自身の熱中症対策を今一度見直していただければと思います。
最後に、熱中症の応急処置も確認していただき、これからの夏、安全に乗り切りましょう。