ある自動車会社のシンポジウム
H14年12月 中野 丹
先日、「交通事故ゼロへの挑戦」~改めて問う! 自動車の安全技術開発における事故調査の重要性~というシンポジウムが、自動車メーカーや医者など、各界から多数の参加者のもと開催され、主催会社の技術者と、地方の救急救命医から、それぞれが行う事故の調査・分析にもとづく安全対策に関する講演があった。
救急救命医から、日本では後部席でシートベルトをしている人はほとんどいない。実際に事故現場でつぶれた車を見て、シートベルトさえしていれば助かったのに悔しくてしょうがない。この気持ちを伝えるには現場の写真を見せたいが、医師としてはできなくて残念である。後部席の人にベルトを装着させる事ができたら確実に死亡事故が減らせるが、そのための手だてを考えるのが重要である等の発言があった。
技術者からは、自動車事故の80%がヒューマンエラーである。人間の行動を積極的に支援する新しい安全技術の開発を進めている。また、その会社の代表取締役の「事故なき運転とは、未来への最重要課題の一つである」とのコメント等が紹介された。
自動車の21世紀のテーマは安全と環境だそうである。事故ゼロに向けてのすさまじい意気込みを見せられ、我々の取り組みについても改めて考えさせられた。