農作業安全コラム

安全に対する認識の違い

H18年10月 岡田 俊輔

 先日、安全に関する認識の違いで議論になりました。

 「安全」の意味を国語辞典で調べると、「危害または損傷・損害を受けるおそれのないこと。危険がなく安心なさま」とあったため、極論を言えば、どんなものでもわずかの危険性は残されているため、安全なものは存在しないのでは?と私は主張しました。

 相手の意見は、それは極端すぎる。それでは世の中全てのものが危険ということになってしまい、社会が回らなくなってしまう。というものでした。

 そこで、JISの定義を見てみると、「人への危害または損傷の危険性が、許容可能な水準に抑えられている状態」とあり、絶対的な安全を主張するのではなく、ある程度のリスクは認めた表現となっていました。このような定義、あるいは認識によって、私のような極論に陥らずに社会が動いているのだと納得した次第です。

 このことから、許容可能なリスクを認めた上で安全が成り立っているという認識を誤り、絶対に安全だと錯覚してしまうと、安全確認を怠るなど、気付かないうちに許容可能な水準を越えている状況が生じることもあります。この違いの認識が大切だと思いました。

 

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