農作業安全コラム

安全に対する考え方の相違

H18年8月 中野 丹

 航空機エンジンに関するテレビ番組で、離陸後数十秒でエンジンが炎をあげ壊れたため、パイロットが壊れたエンジンを停止して空港へもどった事故の模様を映していました。

 原因はエンジン内で推進力を発生させるタービンブレード(風車の羽根にあたる部分)の破断です。2005年に日本で発生した飛行中のエンジン停止の4割がこの原因によるとのことで、技術者たちはこの事故を防ぐために日夜努力をしています。

 番組で驚いたのは、日本とアメリカでエンジンに対する安全の考え方に大きな相違があるということです。日本の航空会社はこの種の事故をゼロにしようと必死です。一方、アメリカのエンジンメーカーは破断したブレードが機体に重大な損傷を与えないように設計しているため、飛行機を墜落させるほど重大な事故に結びつかないという立場をとっています。

 同じ事故に対し、このように違った対応が出てくるのは、国民性の違いなのでしょうか?思わず、牛海綿状脳症(BSE)の日本とアメリカの対応の違いを思いおこしました。

 

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