「農業機械の圃場間移動に関する現状調査結果」刊行
H20年11月 岡田 俊輔
10月に安全人間工学研究単位で取りまとめました「農業機械の圃場間移動に関する現状調査結果」を刊行致しました。これは、近年経営規模の拡大に伴って圃場間を移動する機会が増えていることや、農道の整備が進んだことで一般車両が農道へ進入することが多くなり、危ない思いをすることが増えた等の声を受け、圃場間移動時の現状やその時の危険状況について、農業従事者を対象に行ったアンケート調査を基にまとめたものです。
取りまとめの過程で興味を持ったのは、経営規模の拡大のためには乗用型トラクタの高速化が有効であるという意見が多かった反面、「走行速度が速くなると運転技術が必要となるため、高速化は望まない。」というような意見も散見されたことです。乗用型トラクタは乗用車に比べて、重心位置が高いことや、3輪車に近い車両特性を有する、サスペンションがないことが多い等の理由から、走行安定性の面で不利なことが多く、即座に高速仕様にすることが難しい側面を持っています。乗用型トラクタの走行安定性については、古くから研究が行われてきましたが、今後さらに高速化が求められるようになると、これらの研究の重要性が増すのではないかと感じられました。また、高速化が生産性向上にどの程度寄与し得るのかといった考察も必要と考えられました。
刊行物については、機械化情報課図書室 (TEL:048-654-7033)までお問い合わせ下さい。また、結果の概要につきましては、10月7日発表のプレスリリースでご覧頂けます。