農作業安全コラム

農道を走って!

H20年5月 中野 丹

 埼玉県鴻巣市の郊外にある生研センター(現:革新工学センター)附属農場近辺の農道を自転車で走る機会がありましたが、乗用車やトラックなどの一般車両がものすごいスピードで走っているため、大変怖い思いをしました。

 生研センター(現:革新工学センター)が昨年度実施した「農業機械の圃場間移動の現状に関する調査」で、農業機械士らに「走行中に危険と感じたこと」を聞いたところ、「対向車とのすれ違い」や「後続車のわり込み」が上位を占めましたが、自転車とほぼ同程度の速度で走るトラクターの運転者の気持ちを少し理解できました。

 本来、農道は農業者の利便性を向上する目的で作られたものです。しかし、高速走行する一般車両の通行量増加で、低速走行する農業機械が「追突」されるとか、道の端を走らざるを得ないことで「路肩からの転落」の危険性が高まるといった皮肉な結果になっています。

 農業機械の道路走行に関する安全対策としては、低速で走行する車両だと認知させるため、「低速車マーク」の装着が勧められていますが、農道へ一般車両がどんどん入ってくるようになった現状では、走行時の安全性向上のための対策の強化を急ぐ必要性を感じました。

 

キーワード:安全装置・対策
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