農作業安全コラム

取扱説明書、読んでいますか?-その1

H20年6月 積 栄

 今年度から安全コラムを担当することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

 3月までは主に乗用トラクターの検査鑑定業務を担当しておりました。このうち安全鑑定では、依頼された農業機械が基準以上の安全性を有するかどうかを確認します。このとき、機械そのものの安全性や取扱性を実機で確認するのはもちろんですが、それと同じくらいエネルギーを費やすのが、実は取扱説明書のチェックです。

 本来、道具はそのものを見るだけで正しい使い方が全てわかるのが理想ですが、農業機械も高機能化や各社独自の機能などにより、新しい機械を直ちに正しく、安全に動かすのは難しくなってきています。このため、取扱説明書の重要度は一層増しています。

 そこで安全鑑定では、取扱説明書に必要な内容が備わっているかを確認します。しかし実際のところ、どれだけ重要なことが書いてあっても、それを読んで理解してもらわなければ、意味はありません。一方で高機能化や安全意識の高まりに伴い、取扱説明書に記載すべき情報量は増え、複雑化しており、わかりやすく読んでもらえるものを作るのは簡単とは言えません。したがって、取扱説明書に対する使用者の満足度は安全上も重要な指標ですが、実際のところ、農業機械の取扱説明書はユーザーの皆さんにどれだけ読まれ、どう思われているのでしょうか。次回のコラム担当時は、その辺りを少し考えてみたいと思います。

 

キーワード:安全装置・対策/研究/点検・整備・清掃
サブキーワード:農業経営体/他業種