シーズンオフこそ安全対策を
H22年12月 冨田 宗樹
皆さんの中には、多忙な秋作業シーズンも終わり、来年に向けた準備に余念のない方も多いかと思います。
皆さんは、今シーズン、農作業中にヒヤリとしたことがなかったでしょうか。お恥ずかしい話ですが、私は、機械の整備中に、作業手順を間違えたために、部品の間に挟まれそうになったことがありました。その反省を踏まえ、今年は、例年にも増して、作業安全性向上対策に取り組んでいます。
その中で感じたのが、シーズンオフの対策の重要性です。作業場所の整理・清掃や照明の改善はもちろんのこと、工具や器具の点検・補充も作業性・安全性に大きな影響があります。これらは、手間と費用の掛かる仕事でありながら、結果に直結しないため、不十分になりがちでしたが、改めて取り組んでみたところ、作業ストレスの減少、不適切作業・整備不良の排除等、その効果に驚かされました。
また、農業機械では、小さな不調の放置や、操作手順の確認不十分が、大きな事故に繋がりかねないことを、改めて痛感しました。そこで先日、取扱説明書を再読し、十分に整備を行うと共に、作業上の注意事項を箇条書きにして、機械に貼り付けました。これで、来シーズンは迷わず安全に作業ができそうです。
これらの対策は、シーズン中にはなかなかできませんが、逆にシーズンを過ぎると忘れてしまいがちです。しかし、それでは来年も同じ問題に直面することになりかねません。
皆さんも、今年のシーズンオフは、ここ数年の作業を改めて振り返り、安全対策に取り組まれてはいかがでしょうか。
作業場所や納屋の照明は十分でしょうか? 期限切れの資材はありませんか? 機械の点検・整備は十分でしょうか? 工具や機材は点検し、必要な拡充を行いましょう。
さらに、来シーズンに向けて作業の手順の再確認や知見の拡大を図ることも重要です。まずは、取扱説明書を再読し、疑問点や懸念点を解消しておきましょう。また、講習会や勉強会等の学習・情報交換の機会があれば、積極的に取り組みましょう。
シーズンオフは、いわば地中で根に力を蓄える時期です。環境を整え、資質を高め、来シーズンは事故なく大輪の花を咲かせるように、お互いにがんばりましょう。