農作業安全講習のすすめ
H22年9月 土師 健
先日、フォークリフト運転技能講習会、玉掛け技能講習を受講しました。少し難しい話になりますが、最大荷重が1トン以上のフォークリフトを運転する場合、また、つり上げ荷重が1トン以上のクレーンに玉掛けする場合は、それぞれの講習を受け、学科・実技の試験に合格し修了証が交付されなければならないと法律で決まっています。
また、講習を修了していない者をそのような仕事に従事させた場合、事業者に罰則もありますし、フォークリフトは法定点検を受けなければならないことに決まっています。フォークリフトの運転や玉掛けのための技能講習は、工場や建設現場といった重量物を扱う危険な現場で行うためある意味当然のことかもしれません。
一方、農業機械の運転操作に関して、トラクタ等で公道を走行する場合には、大型もしくは小型の特殊自動車免許(普通自動車免許のみで良い場合もあります)が必要ですが、ほ場での作業には免許や講習を受講して修了しなければならないといったことは法律で定められていません。また、農業機械は、一部を除いて法定点検も必要ありません。したがって、安全な農業機械の運転は、農家の方々の日々の心掛け、点検・整備にかかっています。
しかしながら、残念なことに高齢化の進行もあって、毎年400人程度の方が農作業中に亡くなられており、平成19年には就業労働人口10万人あたりの死亡者数が、危険とされている建設業を上回ってしまいました。講習会に参加すれば事故を起こさないということではもちろんありませんが、参加することは日常の慣れによる安全意識の緩みを正すことにつながる等プラスにはなってもマイナスにはなりませんし、新しい発見があるかもしれません。お近くで農作業安全講習会等が開催される場合は積極的に参加してみてはいかがでしょうか。
まだまだ暑い日が続いております。熱中症には十分注意され、ゆとりをもった農作業をお願いします。