農作業安全コラム

トラクタと安全キャブ・フレームの国際基準(OECDトラクタコード)

H23年10月 冨田 宗樹

 今日、様々な産品が国境を越えて流通されていますが、トラクタや安全キャブ・フレームも例外ではありません。国際流通を円滑に行うには、製造国に係わらず、同じ方法・基準で性能が評価され、結果が保証されていることが重要です。このような国際間での取り決めがOECD(経済協力開発機構)のトラクタコードであり、我が国では、生研センター(現:革新工学センター)が試験機関となっています。

 一方、我が国でトラクタコードを受け入れるためには、国内の方法基準を整合させなければなりません。従って、その内容は国内に流通するトラクタにも大きな影響を及ぼします。

 しかし、トラクタに係る技術開発や安全意識・規制の国際的な動向は絶えず変化しているため、トラクタコードにも不断の見直しが不可欠です。このため、定期的に会議が開催されています。その1つが9月27~30日にドイツで開催されたテストエンジニア会議であり、我が国の代表として生研センター(現:革新工学センター)から私を含め2名が参加しました。今回の会議では、各国の試験方法の改善に加え、燃費や排出ガス処理装置の性能といった新たな議題も討論され、多くの成果が得られました。

 我が国のトラクタにおける安全性の向上、身体や環境への負荷低減に、OECDテストコードの果たす役割は大きく、生研センター(現:革新工学センター)は、今後もその活動に貢献して参ります。

 

キーワード:安全装置・対策/研究/乗用トラクター
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