農作業安全コラム

GAPと農作業安全

H23年12月 志藤 博克

 皆さんはGAPをご存じですか?Good Agriculture Practiceの頭文字を取ったもので、適正農業規範または農業生産工程管理と訳され、「より良い農業に向けた取組みの実践」を意味します。具体的には、農林水産省が昨年とりまとめた「GAPの共通基盤に関するガイドライン」にも明記されているように、食品安全、環境保全、農作業安全について適正に取組み、その取組み状況を記録・確認・改善(生産工程管理)することです。詳しい内容については農林水産省のホームページ 外部リンク 等をご覧下さい。

 ここで強調したいのは、「より良い農業」である条件として農作業安全が明確に位置付けられていることと、「より良い農業は自らが実践して作るもの」というGAPの理念です。つまり、農作業安全も生産者自らが実践して作るものだということです。農作業を巡る環境は様々ですから、農作業安全のための取組み方も地域、作目、経営ごとに異なるはずです。身の回りに潜む危険を認識し、自分たちがすべきことを考え、できるところから改善してゆくという自分たちならではの行動にご家族や小集団で取り組んで頂きたいと願います。

 GAPの理念が広く理解されることで、農作業安全への意識向上にもつながることを期待したいと思いますし、GAPに取り組む、取り組まないは別として、「農作業安全は自らで作るもの」という考え方が広く定着して欲しいと願います。

 

キーワード:安全装置・対策
サブキーワード:農家(個人)/農家(法人)/農家以外の農業事業体